柳琴きちんと持てますか2

さて、柳琴ちゃんと持てますかの続きです。

【前提事項】
柳琴のバランスをとるために柳琴と身体が触れる場所は以下の4点です。

1、支架(台座)
2、テイルピース上部に置かれる右手
3、琴をもつ左手親指
4、身体(体型によって触れる位置は違うかもしれませんが、お腹か胸のあたり)

上記写真はすべて悪い例です。反面教師にしてくださいませ。
一般的に右脚の付け根あたりに支架を置くのが奨励されていますが、わたくしは背が高い(177センチあります)ので、支架を付けても高度が足りず、かなりバランスを崩します。

どこを改善すべきかは、以下、孟憲洪先生と孟醒先生のアドバイスを参考にしてください。

なお、以下の引用部分は、孟憲洪先生と孟醒先生の許諾を得て、徐州孟宪洪柳琴制作中心ウェブサイト(www.mengxianhong.com)の掲示板より翻訳、転載したものであり、孟憲洪先生と孟醒先生及び翻訳者である萩原有里(游鯉)の書面 による同意なく、著作権法の定める適正な利用を超えるその他の利用はできないことをご理解ください。

孟憲洪先生の回答

(^_^)身体と琴の接触点は補助にすぎず、主要部分ではありません。接触点はおそらく腹部(各人の身長や体型が違うので一概には言えませんが…)でしょう。
柳琴の主要なバランス支点となるのは台座(支架部分)で、そのほか、左手と右手がサポートします。左手にせよ、右手にせよ、右手だけに頼れば、右手がテイルピースを圧迫し、音色に影響が及びますのでよくありませんし、左手だけに頼れば、左手親指が琴を下から押し上げることになり、これもよくありません。なぜなら、左手の負担が大きく、ポジション移動に不利になるからです。ですから、左手右手の両方を実情に応じて調節すべきです。
一般的に、左手親指は主要な支点ではありませんが、全く支えないのもいけません。なぜなら左手のその他の4本の指とバランスをとるために必要です。琴が完全にバランスを保っていれば、左手の親指も力の入れようがありません。
(^_^)左手親指の運用は奥が深いです。

孟醒先生の回答

写真を拝見しました。次の点に気をつけてみてはいかがでしょうか。

1 もし、可能であれば、右足を左足の上に置いてみる(中国語で俗にいう「二郎腿」の姿勢、つまり脚を組む)と基本的に柳琴の高度を上げることができると思います。

2 これまで何度か徐州に来てはいかがでしょうかと言いましたが、これは支架を改善してはどうかという意味で(^_^)、柳琴を注文制作してはどうかとの意味ではありません。あなたが使用している支架はちょっと低めで、おそらく穴の場所もあなたの身体の角度に合っていない可能性があります。無償で支架の穴の位置と角度を調整します。

3 あなたの右手はもしかして、テイルピースの上部で宙に浮いてしまっているのでしょうか?支架は支点です。テイルピースと右手は琴のバランスをとるために重要な一部分です。力を抜いても大丈夫です。自然に右手の腕の重力を利用してテイルピースの上部においてください。このように支架の支点を利用することで、バランスを保つ力の一部にします。

4 身体と琴は基本的に平行です。琴はほんの少し身体に触れます。ポジションの位置によって、演奏及び身体と楽器の重心によって、多少変化します。

5 あなたの右手の手の形は一般的且つ正確です。でも、左手の手の形は逆です。流線形で下に向かうべきところ、あなたの場合は下に向かっています。左手の親指も適当にもう少し後ろに置いてもいいでしょう。第一ポジションのとき、琴の首を一冊の本だと思ってください。前面の親指と後ろの4本の指の頭を用いて本を持つときの形を基準にして、そこからさらに一辺に向かって少し傾斜し、少し琴のバランスにも配慮してください。

以前にも言った通り、琴のバランスは4つの点を相互に配慮しなければなりません。演奏技巧に基づき、ポジション移動等の必要性により微妙に変化します。
以上4点が私のおおむねの視点及び見解です。お返事おまちしております(^_^)

以下続く。。。

柳琴きちんと持てますか?

恥ずかしながら、告白しますと、未だにきちんと持てません…

市場で売っている柳琴には普通、支架(支え)が付いてきます。
それを琴のおしりの穴のねじにくるくるとはめて、支架を右足の太ももの付け根あたりに置いて琴を安定させます。
琴は何度くらい傾斜するように構えるのがいいのでしょうね。
いずれにしても、右手を琴から離して、左手親指だけで軽く支えているくらい、それで上下のポジション移動がスムーズにできる安定した位置を探しなさいとどの先生も言われると思います。

でも、現実的に、すぐに琴を安定させられる人っているのでしょうか…
どうしても左下へ琴が傾き、左手、重くないですか?
親指に負担がかかり過ぎて、スムーズに上下に動かないようって思いません?
現に、中国の愛好者の掲示板等を見ていると、持ちにくいとか、支架をどこに置いたらいいのか分からないという人がいるので、わたくしだけの問題ではないような気もいたします。
親指に負担がかかり過ぎる場合は、姿勢が正しくない、重心が安定する位置が分かっていない等、の原因が考えられます。
琴のつくりそのものが悪くて琴が安定しない場合もあるそうですが、そこそこのメーカーが作った琴なら、規格面において超粗悪品ってことはないでしょう。
(でも、たまにあるらしい…)

そして、試行錯誤を繰り返しても、わたくしはうまく琴が持てないのです。
最後はしょうがないから、琴から支架を外して、琴本体を両足の中間に置いてできるかぎり琵琶のようにタテにならないように無理して抱えておりました。
多分、これだと若干、琴の傾きがベスト状態から離れる筈です…
哀しくなって、もう、やめちゃおうかと何度も思いましたが、先生が余り楽しそうに弾いてわたくしを励ますので、やめるきっかけを失いました(^^;
続けてきた理由は、単にそれだけのことです。

ピックの角度についてブログでコメントをいただき、日頃、自分の角度は多分よくないだろうと思っていたので、この際、琴の制作者孟憲洪先生とその息子さん、孟醒先生に思い切って聞きました。
柳琴に支架を付けることを思いついた人間(孟憲洪先生)に聞くのがやっぱりベストでしょう?
ちゃんと琴が持てる支架ってないのか、わたくしの持ち方は良くないとは分かっているけど、どうしようもないんだとメールで訴えてみました(^^;
(大先生に何とまぁ。。。と思われるかもしれませんが、教えてくれる人が少ないし、愛好者の中にはいい加減なことを言う人もいるし、こちらも必死なんですよ)

結論は、やはり、中間に琴を置く持ち方は右手に影響を及ぼすため、音がよくないだろうから薦めないとの回答をいただきました。
琴制作者の孟先生もわたくしの体型や姿勢を見ていないので具体的にはアドバイスしようがないのですが、もし、身長が高い、手が長い、手が大きい等の身体的理由から持ちづらいということはあるかもしれないので、自分に合うように琴を制作して、支架も体型に合わせて穴をあけて、長さも高めに調整するのが一番いいだろうとおっしゃっていました。

琵琶は右手の腕をまげてきて、手の指が行動半径になるので琴を中間に置いても問題ないけど、柳琴は手首が行動半径になるわけだから、琴を中間に置くと音色が悪くなるはずだし、そうするとあなたの身体はまっすぐではないか、少し傾斜してしまうのではないですか。

という孟先生の回答は、右手のあるべき姿の参考になるかと思ったので、ご参考までにネットにアップしてみました。
しかしながら、超初心者の外国人なのに、親切に回答していただき、感激いたしました。

え~、もう、これは孟先生の製作所まで飛行機に乗って行って、その場で姿勢を見てもらって矯正していただくか、やっぱりどんなにがんばっても琴と身体が思いっきり合っていないということであれば、そこで、調整してもらって、1把制作してもらうしかない?
わ~、旅費と琴代、合計いくらかかるんだぁ???
非現実的だわ。

ちゃんと琴持てなければ、結局、今まで何を勉強してきたんだろうね。
(龍海先生は、今のままでも、ちゃんと弾けるんだから、別にいいじゃないって言うけど(ショートメッセージで報告したら、そう返事が返ってきた)、中国人だからおおらかなだけで、日本人だったら何それって言うと思うよ)
これじゃあ、人と遊んでもらえないよう。
本当に哀しいよう。

二胡LESSON15

ナナ先生との二回目レッスンです。

さっそく、ボーイングの訓練。
前回は、上腕がほとんど動いていなくて、矯正していただきました。
そして今回は
「前回より上腕は良くなったけど、まだ、手首が硬い。少々自分でも大げさすぎるかなと思うくらいでちょうどいい」
とのことで、手首に注意して何度も開放弦の全音符弾きまくりました。
最後はナナ先生、「そうそう、とぉ~っても上手!その調子で次回もれんしゅうしていらっしゃ~い!」と言ってくださいました。
先生、ほんと、褒め上手ですね(^^;

開放弦ばっかりを音色気にせず、とにかくフォームだけ気にして弾きまくるという行為は、きっと傍で聴いている人は「何、この騒音!」と思うだろうなぁ。
でも、こういう練習、本人は人が思うほど「ツマンナイ」とは思ってないんですよ、実は。
わたくしは基本的に楽器そのものの音色を聴くことも好きなので。

ところで、日本ではどうなのか知りませんが、わたくしの二胡の先生は、龍海先生にせよ、ナナ先生にせよ、自分の二胡をレッスンにお持ちにならないんです。
お手本を見せてくださるときは、「ちょっと貸して」とわたくしの二胡で弾きます。
同じ楽器で、同じように「ドレミファ」と弾くだけなのに、弾き手が代わると音もちょっと変わるものですね…
自分の音は自分の声と同じで、発している本人が聴こえる音と、外部マイクなどで録音した音には差があるのはともかく、龍海先生とナナ先生も音が違うね。
もちろん、ビブラート等の技術を附加せず、とにかく、適当に弾くだけでも違う。
ナナ先生はやはり若い女性らしい「美女~」な音がする。
龍海先生の音は基本的にほんと「音楽って超楽しいねぇ~~~」って音がする。
もちろん、弾いている本人の表情がわたくしに与えるイメージというものがあって、それがそういうふうに聴こえさせている部分もあると思うけど、それだけでもないような気がする。
やっぱ、その人の人生が音にあらわれるんだろうか…(こわ…)
わたくしの音って他人にはどう聴こえるのだろう(^^;げろげろ。

さて、次はポジション移動の練習。
「あなたは頭で考えすぎて、必要以上に大層なことをすることのように、気負うから上手くいかないだけで、気楽にやれば、全然大したことじゃないのよ~」と励まされ、何度も「ソラシドレミファソラシド」と上下、繰り返しました。

どうも音程の狂いが気になって気になって仕方がない。
それを見かねたナナ先生は、とりあえず、最初は音出さずに、左手だけ正しい動きをするように、上下に動かしてみなさいとのアドバイスをくださいました。
「普通は上から下よりも下から上へ行くときの方が上手くいかない子が多いと思うけれど、あなたは反対みたいね~」
と言われました。
下へ滑りづらくて、必死に肩までつられて下がってしまい、見ている方は、わたくしがかなり苦しそうに見えるみたいです(汗)。

絶対音感は全くないので、音程の狂いにさほど敏感ではないはずなのですが、音が狂うことに対する恐怖心が人一倍強いため、ぴったりの位置に動かさなければ、との焦りが強くて、必要以上に力が入ってしまうようです。

「慣れるまでは大変だけど、慣れればどうってことない技術だから、気楽に構えなさい~」
と励まされました。
そして、中国人の好きな言葉の一つ「没問題~」と何度も言われました。(訳せば、大丈夫、大丈夫という意味です)
「とりあえず、今の時点では、自分で思っているほど悲惨な状態ではないし、何とかなっているから、このまま練習していけば、大丈夫、大丈夫~」ということなのです。
さすが、先生、励ますのがお上手というか、生徒にやればできると思わせるところがすごいわ。

余談ですが「大丈夫~」は、ビジネスで契約の交渉時などに中国側にこう言われても、簡単に信用すべきではない言葉です。
悪意で言っている場合はもちろんのこと、悪意がなくても基本的に中国の人は楽観的ですからね。
何が起こっても何とかなるさ~という、良い意味で前向きな人が多いです。
往々にして日本人は、悲観的で細かすぎるので、あまり細かいこと気にする前に「大丈夫、大丈夫」とおおらかに練習していれば、いつか本当に「大丈夫」になっていたりするのかもしれません…
ははは…

さて、最後に気になっていることの一つ、演奏する姿勢について尋ねてみました。
今日、先生は「ちょっと貸して」とお手本を見せてくれるときの姿勢が足を組んだ姿勢だったので
「先生は、だいたいいつもそういう姿勢でお弾きになるのですか?」と聞いてみました。
先生はちょっと恥ずかしそうに、「あ、ごめん、ごめん、今日はちょっと気楽にしすぎてた。正しい姿勢はこうあるべき」と脚を組まない姿勢を見せてくださいました。
実際には舞台ではいろいろなパターンがあるし、先生や兄弟弟子を見ていても個人差はあるとおっしゃっていました。
「膝をくっつけるのは、力が入ってよくないから、膝の間は普通、開いちゃうし、だから舞台で座って演奏する時は女の子は普通、長いスカートをはくかズボンよね」とおっしゃっていました。

いつも思っていたのですが、日常生活でも中国の女の子はよく大股開けて座ってたりします。
日本の女の子は多分、子どものころから、はしたないと叱られることが多いせいか、膝をくっつけがちですよね(若い子はどうか知らないけど)
そして、日本人は多分、舞台でチャイナドレス着るの好きですよね。
(わたくしは普段着に木綿や麻のチャイナドレスをよく着ています)
でも、これ着ると大股開けて座れないから、二胡を置く向きが若干変わるはずです。
滑りやすくなる感じもしますね。
ついでに言うと、柳琴を持つときも、チャイナドレスだと持てませんよ(^^;
それから、太もものスリットがかなり気になるし…
だから、NHKの教材でチェンミンさんの足元が日本人女性っぽい感じがするのをみたとき、弾きにくくないかと思ってしまいました。
慣れの問題なのかもしれないけど。

わたくしは、家で二胡を練習しているときは、短いスカートをはいていても、結構、股開いてます(^^;
人前、特に男性、例えば龍海先生にレッスンしてもらっている時なんかは、なが~いスカートを穿いてました。
中国のオケの制服とか、大抵は上だけチャイナカラーの服で、下はロングスカートよね。
男性は大股開けて豪快に弾けるから羨ましいなぁ。

柳琴の弦とピックの微妙な関係

先日、「柳琴の弦とピックの角度は何度くらい?」と聞かれ、パソコンの前で、あたかも柳琴を演奏しているかのように空想して自分で考えてみたものの…
平行ではないことは確かなんだけれども、正直、深く考えたことがなかったため(あはは、いい加減だなぁ)、何度なのか分かりませんでした。

それで「若干角度があると思う」とだけコメント。
その後、家中の関連書物やネット上の資料を確認しました。
せっかく調べたのだから、アップしてみようと思います。

まず、ピックが弦に入るときの深さ(日本語だと専門用語でなんというのかな???)
アップとダウン時にピックが弦に当たるときの深さは、一般的に2.5ミリくらいだそうです。
強く弾く時でも、3ミリを超えるべきではないとのこと。
深く入りすぎると、弦とピックが接触した時の音の長さが長くなるために、音が濁ったり硬くなりがちで、逆に浅過ぎると音が浮ついて、か細くなってしまいがちです。

次に角度
ピックと弦の角度は約35度を維持することが通常の場合のベストだそうです。
角度がきつすぎれば、ピックが削れてギザギザになりやすく、往々にして音に悪影響が及び、角度が緩すぎたり、弦と平行になってしまえば、音が小さく、か細い音になってしまうとのことです。

最後は、弦のどこら辺を弾くのがいいのか?
駒と29番目のフレットの間の中間点くらいだそうです。
ところで、ちまたにはフレットが24しかない琴も多いはず。そういう場合は24番目のフレットとの間の中間点より若干、下になるってことなのでしょうか。
上すぎると、音にまとまりがなくなり、下すぎると音が硬くなります。
もっとも、換弦する際は、腕を動かすのではなく手首を使って弦を移動し、右手首の支点は動かないため、ピックは1弦から4弦まで平行に移動するのではなく、若干斜めの軌跡になるはずです。

参考資料:王恵然・王紅芸編著「柳琴 演奏教程」人民音楽出版社

柳琴の弦とピックの微妙な関係…
深すぎず、正面から向き合わず、気のあるような、ないような…
そんな思わせぶりな関係のようです(^^;

二胡Lesson14

奥様がご病気のため、入院したとのことで、劉海先生は故郷に帰ってしまいました。

そんなわけで、先生は「先を急ぐなら別の先生を探しなさい、私は少なくとも半月は帰ってこれないし、今は何とも言えない」というショートメッセージをいただき、考えた末、新しい先生探しに乗り出しました。

とりあえず、元の先生の不在の間だけ面倒見てくれるという先生がいないだろうか、という感じで友人に相談したところ、おかげさまで、簡単に先生は見つかりました。
現在、音大の現役4年生という若い女性であります。

受けた感じは、さすがという感じ。
技術を分かりやすく言語化してくれるという感じの話し方に感服しました。
お若いのに…わたくしなんて、外国人に日本語教えるとき、ほんと、こんなふうに科学的に説明してあげられない(もっとも、わたくしは語学教育を専門にしているわけではないから、教学方法そのものを知らないっていうことも原因ではありますが…)

新しい先生(以下、ナナ先生としましょう)は、わたくしの右手の運弓がよくないことを指摘され、わたくしもいつか直すべきだとは思っていたので、徹底的に直していただきました。

ナナ先生もこの先、1年以上、教えるつもりの学生ではないし、一応、一月くらいの短期学生だということもあって、どういうふうにレッスンをすすめていこうか悩むところでありまして、この日はとりあえず、徹底的に右手の運弓訓練と、ポジション移動を含む音階練習を教えていただきました。

わたくしも別に曲を弾きたいとは全然、思わないんですよね。
曲なんて基礎ができていなければ、話にならないし、何よりも下手な自分の演奏を聞きたくねぇって感じです。
適当でよければ、第一ポジションだけで弾ける曲なら何だって弾けますけど(^^;
(譜面は読めるんで…そういう問題じゃないから、嫌なんだよね)

日本で言ったら、東京芸大とかの学生さんに相当するんですよねぇ、と思っていたので、何か怖そうだと思っていたのですが、人のど下手くそな演奏を我慢強く聞いてくれるものなのですね。
もちろん、先生である以上、生徒を育てる目的があるわけですから、忍耐強くないとやっていられないと思うのですが、ほんとすごいなぁと思います。
だって、音程、狂いまくってるよ、ワタクシ…
それなのに「だいたいは、合っているから、もっと練習していこう」って言えるのはすごいなぁとしか言いようがない。
自分の親だったら、笑われるだけなのになぁ。
親でも褒めようがないことを、龍海先生もそうだったけど、ナナ先生も大真面目に褒めてくれるので、なんか、音楽の先生ってほんとすごいなと思うのでありました。

もちろん、教えるということでお金をもらっている以上、客(生徒)に逃げられないように優しくしておこうという側面が全くないとは言えないでしょうけど、多分、彼らは単純に、自分の生徒が上手くなるのが嬉しいって感じなのですよね。

すごいとしか、いいようがない…

レッスン終了後、龍海先生にショートメッセージで「新しい先生、見つかった、こんなこと、あんなこと教わった」と報告したら「新しい先生の言うこと良く聞いてちゃんと練習しろよ」と返事が返ってきました。
一応、龍海先生が北京に帰ってきたら、龍海先生のところに戻るつもりですが、いつお帰りになるか分かんない…

先生同士が師弟関係や兄弟姉妹弟子関係にない場合、生徒があっち行ったり、こっち行ったりは歓迎されないものなのでしょうけど(先生によって教え方や奏法が異なるため、生徒が混乱に陥ったりするし)、どちらの先生もよくしてくださって、ほんと、幸せ者です。

孟憲洪の柳琴その2

この記事は、中国のメーカー不詳粗悪楽器VS.柳琴の中国一といわれる製作所の演奏用最低ランク琴(つまりその辺のメーカーの高級琴よりも安い)の感想だということをご了承くださいませ。
機会があれば、そこそこのメーカーの高級柳琴や孟先生のところの練習用琴等をまぜて、複数の琴の比較すると面白いかも。

まずは、品(フレット)の数。
一般的に練習用の琴は24品、演奏用が29品のものが多いといわれていますが、孟憲洪制作中心のものですと、練習用の安い琴でも29品あるみたいです。
フレットの数が多いということは、さらに高い音域が出るということです。
そこまで出す必要がある、あるいは、そこまでの高音域でもいい音がでるということですかね。

次に駒。
孟先生の駒は余分に穴が4つあいていますね。
これと音色はどういう関係があるのでしょうか。

そして、おそらく音色にとても影響していると思われるのが、品(フレット)の接着面です。
通常のフレットは面板にべったりとすべて底が面板と接着されていますが、孟先生の琴には、明らかに隙間があります。
フレットの端っこの方だけが面板と接着されていて、真中に隙間があり、あたかも橋のようになっているのが写真だと分かりづらいかな~

ピック。
孟先生おすすめのピックはナイロンの変形六角形。初級者におすすめとか。
何ミリかは存じませんが、指で押してみた感じが、いつものウルテム0.8ミリより、ちょっとぐにゃっと感がきついかも。
他にもプロの演奏におススメとかいうピックは、変形三角形のようなものがあるみたいです。

そして、わたくしの琴の琴頭は、岫玉(しゅうぎょく)という玉がついております。
多分、舞台では可愛いく映えるから、こういう琴頭があるのかな?
装飾的効果を期待するものだと思います。
岫玉というのは、等級にもよりますが、大したことない石ですととても安いので、そこそこの綺麗な天然石という感じでしょうか(よく中国では大人気で高価って宣伝文句があるけど、等級次第だよなと思いますがねぇ…高級玉石というより中級玉石じゃないかな)。
琴頭の装飾はあんまり音色に影響しないでしょうけど、どうなのかなぁ。
例えば、二胡の琴軸に携帯ストラップみたいな可愛い飾りを付けている方もいるかもしれませんが、「琴に何かついていると音色に影響する」といって嫌がる人もいますよね(わたくしも、そういうことはしません。音の振動に影響が全くないとは思わないので)。

どうでもいいことですが、岫玉は「集中力・洞察力を高め、感情の安定を図る石」ということらしいので、舞台で最高の演奏ができるように助けてくれたりするのでしょうか(^^;

さて、音ですが、曲をアップすると下手くそなのがバレバレなので恥ずかしくてできません。
それに、曲によってイメージがくっついてしまうと思ったので、開放弦だけをアップしてみようかと思います。
なるべく、そのものの音が分かるようにと、適当に開放弦だけを軽く弾いたものをほとんど加工せずUPしてみました。

しかしながら、音は録音機器や収録場所の影響も受けるので、やはり自分で弾いてみないと分からないと思います。
そんなわけで、柳琴をやっている方には、やはり、どこかで一度、弾かれてみることをおすすめいたします。
ま、この響きがきら~いって人もいるかもしれないけどね(独特だしね)。
それはそれで、一度はこの音を生で聴いてみると面白いと思います。

聴いてみたい方は、以下のURLにアクセスしてください。
http://www.voiceblog.jp/youli/1165672.html

孟憲洪の柳琴

日曜日、先生とデートしました(もちろん、冗談です(^^;)。

正確に言うと、北京のある楽器屋に孟憲洪制作の柳琴が置いてあるとの情報を得た先生が、「今日の夕方、予定がないのならこれから見に行こう~」とショートメッセージを下さり、さっそく、楽器屋さんに行ってきました。
先生が新街口(北京の楽器屋街)の楽器屋さんでの仕事を早めにあがるというので、新街口付近のバス停で待ち合わせて、琉璃廠(ここは骨董街として有名かもしれませんが、ここにも民族楽器店が集中しております)へ行ってきました。

店に入って壁にかかっている孟憲洪制作の柳琴を見つけると、それを弾かせてちょうだいとお願いし、他にも在庫あったら、全部出して見せてよとお願いして、合計3つの琴を弾き比べました。
お店の人は、こちらの目的がはっきりしており、ど素人じゃないと判断したのか、全然、こちらに構わず別のお客さんの相手をしているため、完全に先生とわたくしの2人の世界。

そして、先生は仕事中に二胡で手を怪我しちゃったとのことで、「俺、今弾くの辛いから、お前、自分で勝手に弾いて遊んで、どんな感じか確認しろ」と。
ぎょぇ~先生の手のひら、えぐれてる…痛そう。

そこへ小さな女の子を連れた夫婦が来店。
どうやら、子どもに何か楽器を習わせたいという目的で、知識を得るために来たらしい。
女の子、何だかんだといろいろ楽器に触れてあそびつつ、わたくしが童謡弾いて遊んでいるせいか、たま~にこっちを見るんだな。
「ごめんよ~おばちゃん下手くそでさぁ…」と心の中で謝りつつも、弾くのやめないもんね。

柳琴ってそんなに広く知られている楽器ではないようので、まず「あれは、何?子どもがやるとしたら簡単かな?」と指を指されて、店員さんに聞く人が多かったりする…(いつものことだけど、指を指される方としては恥ずかしい)
「わたくしでも弾けるんだから、あなたの子どもは楽勝だと思う」と心の中で言ってみるのでありました。

さて、本題の音色ですが、やっぱり「柳琴といえば、孟憲洪」と言われているだけあって、とてもよい音でした。
…これじゃあ、食べ歩き番組で「おいしい~」としか言わないバカ娘と同じですね。

言葉にするのは難しいのですが、自分の練習用の琴と比べ、一言で言うなら「月とスッポン」でした。
もっとも、中国一最低な琴と比べているので当然と言えば、当然かもしれませんが(^^;
何といいますが、音がよく響きました。
一つの音の中に、いくつもの音がつまっているというような感じを受けました。
そして、その音が気持ちよく、スカッと響き渡る感じです。
楽器屋のお決まりのセリフは「その辺の北方のメーカーが作っている琴とは音が全然、違うでしょう?南方の繊細な音がするでしょう?」

そして、手の感覚的には、とても弾きやすかったです。
おそらく、通常、楽器屋に展示されている安物の練習用の琴は品(フレット)がいい加減に出来ているものもあって、ものによっては音程が狂っていますし、ちゃんと押さえているのに、音がきちんと出なかったりするものもあります。
(再度言いますが、まぁ、そんないい加減な琴と比べるのは論外かもしれませんね…)

そして、わたくしは往々にして「右手の力が足りないから、きちんと音楽になってない!」と叱られるのですが、品質の劣る琴だと、弱弱しすぎる弾き方では、琴がきちんと音を拾えず、音楽とはいえない音が出ることが多いのですが、孟憲洪の琴ですと、弱弱しい動きまでもきちんと拾い出して、綺麗な音色に変えてくれるような気がしました。

ということは、上手い人が弾いた場合、荘厳なフォルテシモ、繊細なピアニッシモが本当に演奏者の思い通りに綺麗に表現できるのではなかろうかと想像しました。
そして下手な人(わたくし)の場合、多少、指の力が足りなくても、琴が助けてくれるという感じですかね。
技術的にど下手くそで聴けたものではなかった演奏も、いい琴使うと、とりあえず音色はいくぶんよくなるので、少なくとも本人の気分は最高。

そして、孟憲洪の琴に附属しているピックですが、変形六角型というのかな。
一辺の角度は、ベース型の先っぽみたいですね。
そして、持った感じは大きいなと思いましたが(いつものギター用のピックが多分、小さすぎるのかもしれません)、大きいだけあって、きちんと握れます。
きちんと握れるので、音がしっかりしたような気がしました。材質はナイロン?

正面からまともにお値段を聞いたら、XXXX元と言われました。
「どこまでまけられるか」と突っ込んでみても「そもそも、柳琴を専門にしている人が欲しがる琴だから、安くできるものではない、オマケできてもせいぜい100元程度しか引けない」と言われたので、先生もわたくしも「100元引じゃ、話しにならんよ、今日は買うのやめとく」と引き上げました。
楽器屋さんは「散々、遊んどいてそりゃないでしょ~、こういう品はハズレないし、この程度の値段はしても仕方ないよ~」と言われましたが、楽器屋を渡り歩いてきた先生にコストはお見通しなので、「また、そのうちね~」と立ち去りました。
先生いわく「知り合いの二胡の先生に頼んで話をつけてもらったら、彼とここの店主は仲がいいから値段はもう少し下がるだろうな。それと一般的に楽器屋は先生に対してあまり利潤を追求しないからね」とのこと。

先生は「中国一と言われる人の工房の柳琴なのだから、日本に胸張って持って帰れるね~どこに持って行っても恥ずかしくない琴だよ」と、まるで娘によい嫁入り道具を持たせるお父さんのような発言を繰り返し、何か面白い。

追伸:知り合いの先生が楽器屋と話をつけてくださり、ちょっとおまけしてくれたので、月曜日に買ってしました。
どこがどう違うのかというレポートは次回記事にします。

柳琴LESSON34

中年女子のゼロからスタートだから、仕方ないにせよ、わたくしには、とにかく「速く弾けない」という弱点があります。
少数民族の舞曲せよ、一部の童謡にせよ、練習曲の中には、結構テンポの速いものがあります。
しかし、テンポを上げると音がきちっと出なくなるとか(要するに、決まった場所をきちんと押さえられなくなる)、そもそも指がすっころんで速く移動できないとか、どうしようもありません。
でも、先生は絶対に許してくれないのだ~
「「手拉手」が、このくらいのスピードで弾けるようになるまで、俺はあきらめない!」とおっしゃり、更に続けて、
「この要求をクリアできたら、技術的に一段高いところへ行けるのだから、これをやらせないわけにはいかない」とのことです。
「手拉手」が速く弾けない理由は、実はテンポだけの問題じゃなくて(同じくらい速いテンポでも問題なく弾けてしまう曲もあります)、薬指と小指を交互に使う部分が多すぎるせいもあるんです。
薬指が言うことをきかないんですよね。

「薬指が言うことをきかないんです」とうるうる訴えてみたら、
そんなことは当たり前のこと。ピアノ弾く時だって、薬指は一番、どんくさい指だからな。暇があったら、膝の上で薬指だけ持ち上げて、トントン膝をたたいて遊んでいれば、そのうちもっと速く動くようになるぞ」とにっこりかわされました。
小指はまぁ動いてくれるし、力も入るのですが、薬指って日常生活でほとんど使わないから、感覚あまりないんだよねぇ…

今回はB♭調を中心におさらいしました。
「採蘑菇的小姑娘」はどうやら、わたくしの理解していたテンポが少し遅すぎたようで、もっと速く弾け~と言われ、「こういう感じ」と例のごとく歌ってくださいましたが、ちゃんと速く弾けて楽しかったです。
そして、「瑤族舞曲」後半の16分音符は、速度が足りないので、その部分だけ特訓して、来週、ちゃんと弾いて見せろということになり、レッスンは終了しました。

帰り際、先生は「柳琴の場合、今のお前のレベルだったら、人と公園で十分遊べると思うけどなぁ」と励ましてくださいましたが、先生、基準甘いんだよなぁ…

確かに中国の公園で弾いてみたら、全く楽器やったことない通りすがりの人は褒めてくれるかもしれないし、初級レベルの二胡弾きさんが相手にしてくれるかもしれないけど、日本だったら、騒音扱いか、後ろ指さされて笑われるんじゃなかろうか…正直、母に笑われたし(この時は学習2ヶ月目だったからか???いや、多分、今でもバカにされると思うな)、近所迷惑だから、お願いだからやめてくれと言われましたしね。

まだ、単純な音だけの旋律しか弾けないし、装飾音符とか、華やかな技巧の一つもできやしない状態だから、ほんと情けない。
トレモロやらせた日にゃ、均等にリズムを刻んでいないため、一小節の中で、リズムが微妙に狂ってしまいます。
それが自分で分かっているだけマシって先生、言ってくれますけど…

「音程の狂いは自分で分からない人がいるかもしれないけど(音感は訓練しなきゃ身に付かない)、リズムの狂いは普通、誰でも自分で気付いているのではないですか?」と自分の思っていることを素直に先生に聞いたら、
「いや、本当に分かっていない人もいるよ」との返事。

そういえば、カラオケとかで、音楽と全然、合っていないのに自分のペースで歌い続ける人いらっしゃいますが、わたくしは逆に、機械のような正確な伴奏を聴いていたら、どうしてもそれに合わせちゃいますよ?
少なくとも合っていないと気付いた時点で、合わせようと努力し、合わせきれない場合は、しばらく待って合わせられるところから入り直します。

思うに、譜面や伴奏や他人のメロディに関係なく我が道を走るというのは、緊張すると心拍数が上がったりして、それにつられてテンポが狂うとか、緊張して周りの音がまったく聴こえなくなるとか、そういうことなのかなと思っているのですが…

周囲の音が聴こえているのにどうしても合わせられない、あるいは心の中で刻んでいるリズムと合っていないという場合、技術的に手が速く動かないから、ずれちゃうとか、そういうことだと思っていたのですが、そもそもずれていること自体に気付かない場合があるとは…正直、想像していませんでした。

自分はたまたま、分かる場合が多いだけ、先生が細かすぎる点は指摘しないだけに過ぎず(気付かないことも、あるんだ…)、そうであれば、上記はかなり無神経な発言だったわけで、反省中…

二胡LESSON13

D調のおさらい
G調の音階など
おまけのようについている小さな練習曲(多分、童謡)を初見で流しました。

今回は、弾くより、話していた時間の方が長いかも。
この先、何年も中国にいるつもりはないというところが、先を焦っている理由の一つなのですが、実は先を急いでいるのは、わたくしよりも先生の方だったのかもしれません。
日本に帰ってから、今のような1対1の形態で、1週間に1時間強、必ずつきあって教えてくださる中国人の先生を見つけるのは困難でしょうからね。
(お金次第なのかもしれませんが…)

先生としても、中途半端で後で使い物にならなくなるような教え方ではなく、後で、どんな先生が引き継いでも「とりあえず習ったことあります」と胸張って言えるレベルまで、責任持って教えてあげたいということのようです。
(先生、本当にいい人だなぁ…)

そんなわけで、先生いわく「完成していなくても、まぁまぁ出来ているというレベルですべてパスさせるから、引き続き時間のあるときに、パスした課題も繰り返し、練習しろよ」

ところで、八分の三拍子の練習曲を初見で弾きました。
楽理的な意味は分かっているのですが、リズム狂いまくりました…(^^;
途中で無意識に拍子変更しそうになる自分がこわい。
先生が隣で歌ってくださらなかったら、全く弾けなかったと思います。

今週末はお休み

どっぷりと行き詰まっているため、お休みしたわけではありません。
わたくしは日本へ一時帰国する以外は、何が何でもLESSONを受けたがる生徒(いろんな意味で厄介な生徒)でありまして、これは先生のご都合のお休みであります。

しかしながら、聞きたいことがいっぱい溜まっていて、レッスンで聞けない分、ショートメッセージを打ったら、何か長く書き過ぎちゃったみたいで、メッセージが6件分になっていました(@_@)
先生も驚いたのではないだろうか…

以前、先生にショートメッセージを送ったら、先生は返事を書くのに気を取られて、降りるべきバス停を通り過ぎちゃったそうで、
お前のせいで、降りそこなった 一駅歩いて戻るはめになった~」
という恨みのメールを頂きました(^^;

ちなみに先生のメールのしめの言葉はいつも「好好練琴」です。
訳せば「ちゃんと練習しなさいね」といったところでしょうか。

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