二胡Lesson14
奥様がご病気のため、入院したとのことで、劉海先生は故郷に帰ってしまいました。
そんなわけで、先生は「先を急ぐなら別の先生を探しなさい、私は少なくとも半月は帰ってこれないし、今は何とも言えない」というショートメッセージをいただき、考えた末、新しい先生探しに乗り出しました。
とりあえず、元の先生の不在の間だけ面倒見てくれるという先生がいないだろうか、という感じで友人に相談したところ、おかげさまで、簡単に先生は見つかりました。
現在、音大の現役4年生という若い女性であります。
受けた感じは、さすがという感じ。
技術を分かりやすく言語化してくれるという感じの話し方に感服しました。
お若いのに…わたくしなんて、外国人に日本語教えるとき、ほんと、こんなふうに科学的に説明してあげられない(もっとも、わたくしは語学教育を専門にしているわけではないから、教学方法そのものを知らないっていうことも原因ではありますが…)
新しい先生(以下、ナナ先生としましょう)は、わたくしの右手の運弓がよくないことを指摘され、わたくしもいつか直すべきだとは思っていたので、徹底的に直していただきました。
ナナ先生もこの先、1年以上、教えるつもりの学生ではないし、一応、一月くらいの短期学生だということもあって、どういうふうにレッスンをすすめていこうか悩むところでありまして、この日はとりあえず、徹底的に右手の運弓訓練と、ポジション移動を含む音階練習を教えていただきました。
わたくしも別に曲を弾きたいとは全然、思わないんですよね。
曲なんて基礎ができていなければ、話にならないし、何よりも下手な自分の演奏を聞きたくねぇって感じです。
適当でよければ、第一ポジションだけで弾ける曲なら何だって弾けますけど(^^;
(譜面は読めるんで…そういう問題じゃないから、嫌なんだよね)
日本で言ったら、東京芸大とかの学生さんに相当するんですよねぇ、と思っていたので、何か怖そうだと思っていたのですが、人のど下手くそな演奏を我慢強く聞いてくれるものなのですね。
もちろん、先生である以上、生徒を育てる目的があるわけですから、忍耐強くないとやっていられないと思うのですが、ほんとすごいなぁと思います。
だって、音程、狂いまくってるよ、ワタクシ…
それなのに「だいたいは、合っているから、もっと練習していこう」って言えるのはすごいなぁとしか言いようがない。
自分の親だったら、笑われるだけなのになぁ。
親でも褒めようがないことを、龍海先生もそうだったけど、ナナ先生も大真面目に褒めてくれるので、なんか、音楽の先生ってほんとすごいなと思うのでありました。
もちろん、教えるということでお金をもらっている以上、客(生徒)に逃げられないように優しくしておこうという側面が全くないとは言えないでしょうけど、多分、彼らは単純に、自分の生徒が上手くなるのが嬉しいって感じなのですよね。
すごいとしか、いいようがない…
レッスン終了後、龍海先生にショートメッセージで「新しい先生、見つかった、こんなこと、あんなこと教わった」と報告したら「新しい先生の言うこと良く聞いてちゃんと練習しろよ」と返事が返ってきました。
一応、龍海先生が北京に帰ってきたら、龍海先生のところに戻るつもりですが、いつお帰りになるか分かんない…
先生同士が師弟関係や兄弟姉妹弟子関係にない場合、生徒があっち行ったり、こっち行ったりは歓迎されないものなのでしょうけど(先生によって教え方や奏法が異なるため、生徒が混乱に陥ったりするし)、どちらの先生もよくしてくださって、ほんと、幸せ者です。