Category: 音楽あれこれ

孟憲洪の柳琴

日曜日、先生とデートしました(もちろん、冗談です(^^;)。

正確に言うと、北京のある楽器屋に孟憲洪制作の柳琴が置いてあるとの情報を得た先生が、「今日の夕方、予定がないのならこれから見に行こう~」とショートメッセージを下さり、さっそく、楽器屋さんに行ってきました。
先生が新街口(北京の楽器屋街)の楽器屋さんでの仕事を早めにあがるというので、新街口付近のバス停で待ち合わせて、琉璃廠(ここは骨董街として有名かもしれませんが、ここにも民族楽器店が集中しております)へ行ってきました。

店に入って壁にかかっている孟憲洪制作の柳琴を見つけると、それを弾かせてちょうだいとお願いし、他にも在庫あったら、全部出して見せてよとお願いして、合計3つの琴を弾き比べました。
お店の人は、こちらの目的がはっきりしており、ど素人じゃないと判断したのか、全然、こちらに構わず別のお客さんの相手をしているため、完全に先生とわたくしの2人の世界。

そして、先生は仕事中に二胡で手を怪我しちゃったとのことで、「俺、今弾くの辛いから、お前、自分で勝手に弾いて遊んで、どんな感じか確認しろ」と。
ぎょぇ~先生の手のひら、えぐれてる…痛そう。

そこへ小さな女の子を連れた夫婦が来店。
どうやら、子どもに何か楽器を習わせたいという目的で、知識を得るために来たらしい。
女の子、何だかんだといろいろ楽器に触れてあそびつつ、わたくしが童謡弾いて遊んでいるせいか、たま~にこっちを見るんだな。
「ごめんよ~おばちゃん下手くそでさぁ…」と心の中で謝りつつも、弾くのやめないもんね。

柳琴ってそんなに広く知られている楽器ではないようので、まず「あれは、何?子どもがやるとしたら簡単かな?」と指を指されて、店員さんに聞く人が多かったりする…(いつものことだけど、指を指される方としては恥ずかしい)
「わたくしでも弾けるんだから、あなたの子どもは楽勝だと思う」と心の中で言ってみるのでありました。

さて、本題の音色ですが、やっぱり「柳琴といえば、孟憲洪」と言われているだけあって、とてもよい音でした。
…これじゃあ、食べ歩き番組で「おいしい~」としか言わないバカ娘と同じですね。

言葉にするのは難しいのですが、自分の練習用の琴と比べ、一言で言うなら「月とスッポン」でした。
もっとも、中国一最低な琴と比べているので当然と言えば、当然かもしれませんが(^^;
何といいますが、音がよく響きました。
一つの音の中に、いくつもの音がつまっているというような感じを受けました。
そして、その音が気持ちよく、スカッと響き渡る感じです。
楽器屋のお決まりのセリフは「その辺の北方のメーカーが作っている琴とは音が全然、違うでしょう?南方の繊細な音がするでしょう?」

そして、手の感覚的には、とても弾きやすかったです。
おそらく、通常、楽器屋に展示されている安物の練習用の琴は品(フレット)がいい加減に出来ているものもあって、ものによっては音程が狂っていますし、ちゃんと押さえているのに、音がきちんと出なかったりするものもあります。
(再度言いますが、まぁ、そんないい加減な琴と比べるのは論外かもしれませんね…)

そして、わたくしは往々にして「右手の力が足りないから、きちんと音楽になってない!」と叱られるのですが、品質の劣る琴だと、弱弱しすぎる弾き方では、琴がきちんと音を拾えず、音楽とはいえない音が出ることが多いのですが、孟憲洪の琴ですと、弱弱しい動きまでもきちんと拾い出して、綺麗な音色に変えてくれるような気がしました。

ということは、上手い人が弾いた場合、荘厳なフォルテシモ、繊細なピアニッシモが本当に演奏者の思い通りに綺麗に表現できるのではなかろうかと想像しました。
そして下手な人(わたくし)の場合、多少、指の力が足りなくても、琴が助けてくれるという感じですかね。
技術的にど下手くそで聴けたものではなかった演奏も、いい琴使うと、とりあえず音色はいくぶんよくなるので、少なくとも本人の気分は最高。

そして、孟憲洪の琴に附属しているピックですが、変形六角型というのかな。
一辺の角度は、ベース型の先っぽみたいですね。
そして、持った感じは大きいなと思いましたが(いつものギター用のピックが多分、小さすぎるのかもしれません)、大きいだけあって、きちんと握れます。
きちんと握れるので、音がしっかりしたような気がしました。材質はナイロン?

正面からまともにお値段を聞いたら、XXXX元と言われました。
「どこまでまけられるか」と突っ込んでみても「そもそも、柳琴を専門にしている人が欲しがる琴だから、安くできるものではない、オマケできてもせいぜい100元程度しか引けない」と言われたので、先生もわたくしも「100元引じゃ、話しにならんよ、今日は買うのやめとく」と引き上げました。
楽器屋さんは「散々、遊んどいてそりゃないでしょ~、こういう品はハズレないし、この程度の値段はしても仕方ないよ~」と言われましたが、楽器屋を渡り歩いてきた先生にコストはお見通しなので、「また、そのうちね~」と立ち去りました。
先生いわく「知り合いの二胡の先生に頼んで話をつけてもらったら、彼とここの店主は仲がいいから値段はもう少し下がるだろうな。それと一般的に楽器屋は先生に対してあまり利潤を追求しないからね」とのこと。

先生は「中国一と言われる人の工房の柳琴なのだから、日本に胸張って持って帰れるね~どこに持って行っても恥ずかしくない琴だよ」と、まるで娘によい嫁入り道具を持たせるお父さんのような発言を繰り返し、何か面白い。

追伸:知り合いの先生が楽器屋と話をつけてくださり、ちょっとおまけしてくれたので、月曜日に買ってしました。
どこがどう違うのかというレポートは次回記事にします。

今週末はお休み

どっぷりと行き詰まっているため、お休みしたわけではありません。
わたくしは日本へ一時帰国する以外は、何が何でもLESSONを受けたがる生徒(いろんな意味で厄介な生徒)でありまして、これは先生のご都合のお休みであります。

しかしながら、聞きたいことがいっぱい溜まっていて、レッスンで聞けない分、ショートメッセージを打ったら、何か長く書き過ぎちゃったみたいで、メッセージが6件分になっていました(@_@)
先生も驚いたのではないだろうか…

以前、先生にショートメッセージを送ったら、先生は返事を書くのに気を取られて、降りるべきバス停を通り過ぎちゃったそうで、
お前のせいで、降りそこなった 一駅歩いて戻るはめになった~」
という恨みのメールを頂きました(^^;

ちなみに先生のメールのしめの言葉はいつも「好好練琴」です。
訳せば「ちゃんと練習しなさいね」といったところでしょうか。

千斤の位置

千斤の位置について、これでいいのかなとずっと悩んできました。
というのは、通説によりますと、自分の手の長さに合わせますよね(琴筒に肘を当てて手を伸ばして自分の小指の第一関節(あるいは中指の付け根)までとか言われています)。
でも、あまり低くし過ぎると弦の長さが短くなりすぎていい音がしないとか言われていますね。
その点、わたくしは手も大きくて腕も指も長いので、心配無用。
最初の2回のレッスンは先生と同じ位置にあわせていました。
しかし、先生の方がわたくしより腕が短いので、実はわたくしの手に合わせるともっと高い位置に千斤がきてもいいはずだと気付き、千斤を駒から42センチまで上げました(本当はきっちり手に合わせれば43センチくらいかもしれませんが、そうすると小指がきついので42にしておいたというのが本音です)。

そのまま、普通に何も考えずに弾いていたのですが、楽器そのものの大体の構造が決まっている以上(竿の長さとか筒の大きさとか、皮の厚さ等です)、適切な位置(よく鳴る位置)は決まっているはずだから、手の長さに合わせるなんて不合理だという考え方が職人さんの中にあることに気付きました。
そうなってくると、長すぎも多分、よくないわけですよ。

じゃあ、製作所は何て言っているのだろうと思い、製作所サイトを見てみると、40センチくらいが一番いい音がすると書いてありました。
作った人間がそう言っているのだから、そうなのだろうなと思い、40センチまで下げようと思いましたが、42センチに慣れているため、急に大きく距離を買えると音程が不安定になると思い、41センチまでしか下げませんでした。
そして、やっぱり、音程をとるのが難しいと感じたので元に戻しました。

先日、なにげに買った楽譜の前書を眺めていましたら、阿炳の二胡は普通の二胡と特に変わりのないものだったそうですが、駒から千斤の距離は44~46センチだったと書いてありました(普通よりかなり長いと紹介されていました)。

で、わたくしの行きついた結論は、
「なんだ、上手い人が弾けばうまく自分で調整してしまうので、結局、何だっていいんじゃん」

千斤について根掘り葉掘り聞くわたくしに対して、先生は、「これ以上、上げてもあまり意味ないよ」とおっしゃる。
違うんだってば。何でそういう勘違いするのかな~世の中には千斤を自分の手の長さより上げたい人がよほど多いのか?
「ち~が~うっんです!私は上げたいんじゃなくて、これが一番弾きやすくて満足していますが、高いのもよくないという人がいるので、下げた方がいいのか悩んでたんです!」

バイオリンとかみたいに、何百年もそうだった楽器ではない分、いろいろな情報があって、ほんと面倒くさいなぁと思うのでありました。
(皆、自分の信じているものが一番正しいと思っているし…)

友達100人できるかな

友達100人できるかな~という歌がありましたよね。

わたくしの場合、楽器に名前を付けてお友達扱いしております。
しかし、100も集めるのは、一生かかっても難しいと思います。
まずは、経済的事情。
それから、住宅事情。
そして、最大の問題は自分がマスターできそうなことが大前提。

今月中に新しいお友達が増えることになりそうです。
というのは、用事で故郷に帰っていた先生から
「今、仕事の都合でXXにいるんだけど、XXのXX素材の中阮がXXXX元で手に入れることができるよ。これ欲しかったら、お前のために一本選んでやって、持って帰るけど、どうする?」
とショートメッセージをいただきました。
自分で弾かずに買うなんて、結構、いい加減というか冒険ですが、先生が好きな音は、わたくしも往々にして好きですし、そのブランドの中阮は見たことがあるので、よろしくお願いしますと返信しました。
先生は、わたくしがずいぶん前から「中阮ほしい~やりたい~」と言っているので、このようなメールをくださったわけです。

中阮の一般的な調弦がGDGDということで、柳琴と同じなので、両方できる人は結構いますよね。
(琵琶やバイオリンのような調弦もありです)

「まぁ、お前は身体も手も大きいから、中阮もその気になればいけるかもな」と前に先生は言っていました。
ただ、「楽器というものは、無理に求めるものではなく、ひょんなことから、これだ~という出会いがあるものだから、機会を待ちなさいよ」と言われていたのでした。
そう言っていた先生が「どうする?」と聞いてきた中阮ですので、先生のお気に入りの音がしたんでしょう。
そんなわけで、先生は親切に帰京の際に、わたくしの中阮を背負って帰って来てくださるそうです。

わくわく、わくわく。

あ、カテゴリに「中阮」、追加ですね。

二胡弾きさんに聞いてみたいこと100

今週は先生が北京不在のため、レッスンお休み。
そんなわけで、100の質問みたいに、常日頃、人に聞いてみたいことを書いてみました。

1. お名前は?

2. 性別は?

3. 何年代生まれですか?

4. 二胡歴は?

5. 二胡を習い始めたきっかけは?

6. 好きな二胡演奏家は誰?

7. 前項の回答の理由は?

8. 好きな二胡教育者は誰?

9. 前項の回答の理由は?

10. 携帯の着メロに二胡音楽を使用していたりする?

11. やっぱり賽馬をカッコ良く弾きたいですか?(あるいはもう十分、カッコよく弾いている。)

12. 一番好きな二胡の独奏曲は何ですか?(自分が弾けなくても回答可)

13. 前項の回答の理由は?

14. 一番好きな中国民族オーケストラ曲は何ですか?

15. 前項の回答の理由は?

16. 自分が曲を弾く場合、得意なジャンルは何ですか?

17. 自分が曲を弾く場合、苦手なジャンルは何ですか?

18. これから、弾いていきたいジャンルは何ですか?

19. あなたの今の先生は中国人?日本人?

20. 前項で中国人と答えた方、先生はどの程度日本語ができますか?前項で日本人と答えた方、先生は中国語がどの程度できますか?

21. 今の先生は何人目?

22. 今の先生は演奏家で演奏活動の傍ら、教えている方ですか?それとも楽器屋等で働く傍ら教学も担当している方? あるいは普段は全然関係ない仕事をしていて、土日だけ二胡を教えている方?

23. あなたの音は先生に似ていると思いますか?

24. 先生は厳しいですか?

25. 先生とあなた、どちらの手が大きいですか?

26. 先生に手(あるいは手以外)を叩かれたことありますか?

27. 個人レッスンとグループレッスン、どっちが好きですか?

28. どんな教本を使用していますか?

29. 前項で回答した教本の特徴は?

30. 初めて二胡で弾いた曲らしい曲は何ですか?(練習曲を除く)

31. あなたの母語は何ですか?

32. 前項で日本語と回答された方、中国語はどの程度できますか?あなたの母語が日本語ではない場合、日本語はどの程度できますか?

33. 中国語が分かる方に質問です。二胡をやっていて、中国語ができてよかったと思うことはありますか?中国語が分からない方は、これから習ってみたいですか?

34. 数字譜と五線譜、どっちが好き?

35. 五線譜から数字譜に書き換えることができますか?

36. 自分のメイン二胡の材質は?

37. メイン二胡は北京式それとも蘇州式、上海式?

38. なぜ、前項で回答されたものをメイン二胡にしていらっしゃるのですか?

39. 使用している弓は北京式?上海式?

40. 前項を選んだ理由は?

41. メインの駒の材質は?

42. 駒を自分で作ったりしますか?

43. 二胡を分解してみたことがありますか?

44. マイ二胡はどの国のどの都市で買いましたか?

45. 外国で二胡を買われたことのある方、日本に持ち帰るに際し、CITES(輸出許可)はどのように取得されましたか?

46. CITES取得に何日かかりましたか?

47. ニシキヘビではない皮製の二胡を弾いたことがありますか?

48. 好きな弦のメーカーは?

49. 弦はどのくらいのペースで張り替えますか?

50. 銀の弦を使用したことがありますか?

51. 前項で有ると答えた方、どうでしたか?

52. 絹弦を使用したことがありますか?

53. 前項で有ると答えた方、どうでしたか?前項でないと答えた方、試してみたいですか?

54. サブ二胡の材質は?

55. ずばり二胡は何把持ってる?

56. 新しく二胡を買うとしたら、どんな材質のものが欲しいですか?

57. 前項の回答の理由は?

58. マイ二胡に名前とか付けちゃってたりする?

59. 前項で「はい」と答えた方は、そのお名前と由来は?

60. マイ二胡は男性、それとも女性?

61. 千斤は何を使っていますか?

62. 駒から千斤まで何センチ?

63. 弦高は何センチ

64. 肘から中指の付け根まで何センチですか?

65. 手を思いっきり広げると小指から親指まで何センチ?あるいはピアノで何度くらいとどく?

66. チューニングは何を用いてどのように行いますか?

67. 松脂はどこのものを使用していますか?

68. 前項の回答を選んだ理由は?

69. 二胡バックは何色ですか?肩ひもは1本それとも2本?

70. 弦に松脂が付かないように布をかけられることと思いますが、どのようなものを使用していますか?メーカーがくれたカバー?タオル?自分の手作り?

71. 防音室を持っていますか?

72. 前項で「いいえ」と答えた方、どのような防音対策をしていますか?「はい」と答えた方、差し支えなければ、どのようなタイプの防音室?

73. 立って演奏することはよくありますか?

74. ずばり何時間練習しますか?

75. 他に習ったことのある楽器は?

76. 二胡以外に擦弦楽器をやったことのある方に質問です。その楽器をやった経験があることと二胡の上達スピードに関係があると思いますか?

77. 絶対音感がありますか?

78. 相対音感はいかがですか?

79. 他人の演奏を聞いていて、音程を外すと気になりますか?

80. ずばり自分の演奏の音程はあっていますか?

81. リズム感は有る方ですか?

82. ビブラートは得意ですか?

83. 速い曲と遅い曲、どっちが得意?

84. 練習するとき、常にメトロノームを使用しますか?

85. 練習に入る前の指ならしに、何を弾きますか?

86. 二胡を自作したことがありますか?

87. 前項で「はい」と答えた方、出来はいかがでしたか?前項で「いいえ」と答えた方、これから作ってみたいですか?

88. 何調が好きですか?

89. 前項の回答の理由は?

90. よい音を出すために必要なことは何だと思いますか?

91. 二胡のほか、板胡、四胡、京胡の演奏ができたりしますか?

92. 前項で「はい」と回答された方、二胡を始める前にやっていたのですか、それとも有る程度二胡をマスターしてからそちらも勉強したのですか?80で「いいえ」と答えた方、この先、やってみたいですか?

93. 「要拉好琴先做好人」(二胡で良い演奏がしたければ、まず良い人になることだ)とは誰が言ったセリフ?

94. ピアノ等の西洋楽器と重奏するのは好きですか?

95. 自分の今の実力は置いといて、「XXのような音を出したい」という願望はありますか?有る場合、XXには何が入りますか?

96. 演奏時の見た目(技術には直接関係のない表情や手の動き)にはこだわる方ですか?

97. 来世は幼い頃から二胡をやりたいですか?つまりピアノやバイオリンのプロ奏者が往々にして3、4歳から始めているように、二胡をやりたいですか?

98. ずばり、二胡の魅力は何でしょう?

99. 何の楽器を弾く異性に憧れますか?

100. 将来、二胡で何がしたいですか?

二胡の再入出国

さて、二胡のCITESをどうやって取得するかは以前書きましたが(二胡の持ち帰りとCITES北京)、その後のお話でございます。

【中国北京首都空港からの出国】

二胡は携帯して、機内持ち込みにしました。わたくしはCA(ANAとの共同運航)に乗ることが多いのですが、チェックイン時に何も言われませんでした。
出国空港は北京首都空港の3号楼、税関はセキュリティチェックや出国審査後になりました。
CITESは全部で5枚綴りですが、うち1枚はこれを発行したお役所が保有しているので、交付時は4枚でした。
そして出国税関は中身を確認してすべての書類にハンコを押すと(このハンコがないと日本入国時に問題になるので気をつけた方がいいかも)、輸出税関としてCITESの1枚を持って行きました(残りは正本と控2枚の計3枚)

【日本羽田空港から日本入国】

入国審査を通り、荷物を受け取ると最後が税関ですよね。
税関検査の際に携帯品申告に二胡と書き、「ワシントン条約で制限されている二胡を持っているのですが、どこで手続をしたらよいのでしょうか」と言ったら、「ここでいいですよ」と言われ、CITESの正本を抜き取っただけで、後は中身も確認してもらえませんでした(^^;
え?中見なくていいのぉ?って感じで拍子ぬけ。
手元には2枚残りました。

【日本成田空港から中国へ出発】

一度日本に持ち込んだ二胡をどうしたら持参の上、今後、日中を行ったり来たりできるかについては、日本からの出国時に外国製品持ち出しの手続きをすれば、再入国時にまたCITESを取得しなくても問題ないという回答をあらかじめ成田税関からいただいていたので、そのようにしました。

出国時、出国審査の前に税関がありますので、そこに行って、事情を説明し、外国製品持ち出し届を書き、中身を確認してもらいハンコをもらいます。
この書類は次ぎの日本入国時に必要になるのでとっておきましょう~
このとき、一応、手元に残っているCITES綴りの2枚は持参していました。
日中を頻繁に行き来し、毎回、楽器持参なので、「演奏家なんですね」と肯定調で確認されてしましました。
違うんですけど…

チェックイン時に、CAのカウンタでは「それはもしかして楽器?」と目ざとく見つけられ、CITESのことでも聞かれるのかと思ったら、手荷物にできるかどうかという問題だったらしく待たされました。
最終的に「持ち込んでいただいてもいいですけど、搭乗時に断られるかもしれませんので、その時はご理解を」と言われました。
「え?そこで断られたら、この二胡はどこへもっていかれるんですか?」と聞いたら「普通の荷物と同じです」と言うじゃありませんか。
これ、皮が貼ってあるのよ、そんな気圧の管理してないところに入れたら、壊れるじゃんかと思いつつも、冷静に考えてみると日本人のお姉さんだから杓子定規なこと言っているだけで、中国人だったらダメって言わないだろうと思っていたので、あっさり「そうですか」と了承しておきました。
ここで揉めても、何だし。
現に飛行機の中では、誰からも、その荷物何とかしろよとは言われませんでした。
だって、ちゃんと上の荷物棚に入るもの。

【北京首都空港入国時】

税関はぜんぜん厳しくないので、フツ―に歩いて行くだけですり抜けていってしまいますので、どこかで何か言う必要が全くございません(^^;
日本の税関はほんと厳しいですよね。

次の日本入国時のときに、また、ご報告いたします。

二胡の持ち帰りとCITES(北京)

二胡は日本で大流行しているから、もう、この蛇皮がワシントン条約に引っかかるということは誰でも知っているのでしょうね。
(そうでもないのかな?)
そんなわけで、ちゃんと輸出手続をしてみました。
上手くいけば、4月末又は5月上旬に日本に持ち帰ることができると思います。
ちなみに、この証明は取得してから180日有効、申請してから書類受領まで20日ほどを要するとのことですので、出国タイミングを確認してくださいね。

【必要書類】

(1)パスポートの原本及びコピー
(パスポートナンバーや名前等が書いてある頁だけでいい。ビザや最近の入国スタンプ等の頁はいらないといわれました。)

(2)「二胡収蔵証」の原本及びコピー
(収蔵証は、法的に二胡の売買には必ず必要なもののはずなのですが、中国人が中国人に売る場合は余り気にしていないのか、収蔵証がない二胡、収蔵証はついていても二胡に同じ番号が刻まれていない、というケースがあるので、完全に条件を満たしていなければ、お店に絶対必要だからと言ってもらってください。)

(3)発票(領収書)の原本及びコピー(中国の領収書には、納税している「発票」と単に店がお客に発行する受取の「收據」というものがあるのですが、発票をもらってください。これ、お金がかかると言われるかもしれませんが…)

(4)中华人民共和国野生动植物及其产品《允许进出口证明书》申请表
日本語に訳せば「輸出許可証申請表」です。(www.cites.gov.cnからダウンロード)

<輸出許可証申請表の記載例>

1a.发货人及地址(中英文):発送者氏名および住所(中国語及び英語で記入)
わたくしの氏名及びパスポート番号、中国の住所

1b.发货口岸(中英文):発送税関所在地
わたくしの場合は「北京 Beijing」

1c.发货国家(地区)(中英文):発送国
 「中国 China」

2a.收货人及地址(中英文):荷受人および住所(中国語及び英語で記入)
 わたくしの氏名及びパスポート番号、日本の住所。

2b.到达口岸(中英文):到着税関所在地
 わたくしの場合は、「東京 Tokyo」

2c.到达国家(地区)(中英文):到着国
 「日本 Japan」

3.物种名称(中文名及拉丁学名):種の名称(中国語および学名)
「Python molurus bivittatus」

4.货物类型(中英文):貨物の種類
 「二胡 Erhu」

5.海关商品编码:税関商品コード(HS code)
 「9202100019」。これは、税関での二胡の商品コードらしいです。

6.公约级别:ワシントン条約(CITES)による等級分類、分類記号で表記
 「II」

7.我国保护级别:中国に置ける保護等級分類、分類記号で表記
 「I」

8.目的:用途、分類記号で表記
 わたくしの場合は個人財産なので「P」

9.来源:原産および入手経路、分類記号で表記
 「U」(原産不明、正当な証明有)

10.数量及单位:数量および単位
 わたくしの場合は1つなので「1 Pc」

11.规格及含量:規格および分量
空欄

12.单价:価格
 「XXXX RMB」

13.原产地:原産地
「中国 China」。

14.申请单位地址及邮政编码:申請法人所在地および郵政番号
わたくしの中国の住所。

15.联系人姓名、电话及传真:連絡先氏名、電話、FAX番号
わたくしの中国国内の携帯電話番号。

16.装运期:輸送時期

わたくしの場合は「2010年4月」
申請時に何日まで特定できなかったので、月までしか書かなかった…

17.货物总金额:貨物送金額
「XXXX RMB」(上記12と同じ金額)

18.附件:関係資料
空欄

19.每证进出口物种和数量:各証明書の輸出入の種類と数量
空欄

20.填表日期及申请单位签字或盖章:申請書記入年月日および申請法人署名または捺印
わたくしが申請日を手書で記入し、署名しました。

21.备注:備考
空欄

(5)申請書(様式はなし。自分で適当にパソコンで作成・印刷し、最後に手書で日付を記入して署名しただけです。)

<申請書の記載例>
申请书

申请人XXXX(护照号码:XXXXXXXXX) 为了更好地学习中国传统音乐,在XX购买了收藏编码为XXXX/XX/XXXXX的演奏用二胡。并为了便于练习,希望于2010年4月底带回去日本。特此申请。
日期
署名

日本語に訳せばこんな感じ。

申請書
申請者(自分の名前)(パスポートナンバー:XXXXXXXXX) は、中国の伝統音楽を勉強するために、XX(買った場所)で収蔵番号XXXX/XX/XXXXXの演奏用二胡を購入しました。練習の便宜を図るために、2010年4月末に日本に持ち帰りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
日付
署名

(7)申請手数料:200元(受取の際に納めればいいとのこと)

【申請場所】
ネットで流れている情報を参考にして、TEL 010-84238896に問い合わせましたが、ここは総務だそうで、実際に申請に行く場合には弁事処に行ってと言われました。
実際に行った場所は以下です。

北京市北三環裕民路8号 林業局 西楼212室
TEL 6237-0030
時間は月曜日から金曜日の午前9時から11時半 午後1時半から4時半

はっきり言って分かりづらい。
林業局の門で何処に行ったらいいかと聞いてみたが、門の人は誰も事務室をよく知りませんでした。
仕方がないので、事務室にもう一度、電話してどの楼の何階か問い合わせました。

申請から20日で発行するそうです(上海だと3日だって聞いていたけど???遅い~)
しかしながら、「急いでいるの」とうるうるして言ってみたら、「早めに出来るだろうから、問題ねぇよ、電話するよ」とのことでした。

結論的には、申請自体は、中国語ができて、結構長期間いる人にはどうってことない簡単な手続です。
事務室におっちゃん二人いるだけで暇そうだったし、数分で済みます。

でも申請書の書き方を手とり足とりは教えてくれないので、普通の短期の旅行者にはおすすめできませんね(^^;

除夕の過ごし方―民族音楽三昧

この一週間、花火の音がうるさい…
あちこちに臨時の花火売場が特設されている。
もちろん、花火や爆竹は場所や期間が制限されているものの、おいおいこんな街中でやっていいのかというような人家に近いところで普通に花火を上げる人もいるので、夜道を歩くときは本気で怖い(^^;

わたくしは友人が多い方ではないし、遊びに出かけるのはおっくうなので、除夕(大晦日)は独り静かに家で過ごして、寝ても覚めても柳琴を弾くのでありました~~~
それから、中国音楽協会が音楽関係教材として発行した中国民族楽器に関するDVDを見ていました。
それぞれの楽器の著名演奏家が、その楽器の歴史等を語り、名曲の演奏が収録されています。手元に5巻ありますが、これで全部なのかどうかよく分からない。
「笛 塤 嗩吶 巴烏」
嗩吶を除き自分で吹ける楽器はやっぱり親近感があるので一生懸命見てしまいます。
「笙 管 蕭」
蕭の演奏家、教育家の張維良先生、やっぱカッコいいなぁ…
雪先生は学生時代、間近で張先生を見ているので「脚はこんなに細いくせに、手とか鼻の穴や口はでかくて、笛を吹くために生れてきた人だよね。」と言っていました。確かに、細いくせに鼻の穴でかいなぁとまじまじ見てしまいました。
「二胡 京胡 四胡 板胡 馬頭琴」
この類の楽器は自分で弾けませんが、日本で流行っている楽器なんだから知識はあった方がいいだろうと思って見ていました。
「琵琶 揚琴 古琴 古箏」
この部類の楽器は、あこがれですね。
古琴なんて、文人のたしなみですよね。
でも、同じ弾く楽器なのに、何で「柳琴」とか「阮咸」が収録されていないわけ?
悔しい…「柳琴」の歴史は浅いので、なくてもしょうがないかもしれないけど、琵琶があるのに、「阮咸」がないのは納得いかない。
「三弦 冬不拉 熱瓦普 都它爾」
新疆の楽器などは普段お目にかかれないこともあって、とっても嬉しかった。
しかし、何拍子かよく分からない曲や、一体、どういう音階なのか分からないものばかりで、わけわかめ。
多分、先に踊りを覚えれば、この類の曲を弾くのに役立つような気がする(基本的に踊りのステップに合っているわけだから)

さて、初一(新年1日)は、帰国します。
また、税関で持ち歩いている柳琴の説明をしなきゃいけないわけですな(^^;

何で知名度低いわけ?

小白船をアップできない理由

柳琴Lesson19の独り言の続きです。

「小白船」は朝鮮の童謡だと書きましたが、調べれば調べるほど、どうも違うようです。
原曲の作詞作曲は尹克荣(1903-1988)、1924年の作品らしい。
彼は中国の朝鮮族らしい。
(追記:その後、更に調べてみると、やっぱりソウル生まれの人らしいし、情報が錯綜して訳が分からなくなってきました。彼の国籍や血筋がどうであれ、著作権切れはしていないようなので、アップできないことにはかわりないんですが、中国語のウェブはお構いなしですけど。)

しかし、こうなってくると、死後何年だい?
おもいっきり著作権存続期間だよね?
あぁ、あちこちに楽譜や音源が転がっている(^^;
あーあ、わたくしもせっかくネットで見た譜面を二重奏用の数字譜に直してMIDIも作ってみたけど、公開できませんねぇ。
残念。
とぉっても綺麗なのに。
中国人はどうやら小学校でこれを習っているらしく、歌えるとか、思い出せば何とか歌えるとか、そんな人がちらほらいます。

防音について考える

LESSONメモに入る前に愚痴を書かせてください。

どうして日本ってところは他人の音に対してこうもうるさいのでしょうね。
帰省中の10日程度の間、練習場所に困りました。
お陰さまで年明けのレッスンはぼろぼろでございました。

ちなみに、先生方はどういうところに住んで、そのくらい練習しているのかと尋ねたところ、笛子の雪先生は「ふつーのアパートに住んでいるけど?」とのお返事でした。
別に音大生ばかりが住んでいるとかいう専用物件ではなく、本当にフツ―のアパートのようでございます。
「昼間なら2時頃のお昼寝の時間以外は平気よ。夜は9時前なら平気よ。」と言った後で「それから、昼間に誰かが“うるさいよ”的な意味で壁をたたく等の反応があったとしても、そんなもの関係ないわ、私は吹くのをやめない」と付け足したのでありました。

そらそうだ。
先生の音はわたくしの下手くそな音とは比べ物にならないほど、大きくてある意味、うるさいもんね。
こういうのは、例え上手に吹いたとしても、そういう問題ではなくて、それ自体が気に触るということなのだから、どうにもならない。

そして龍海先生にも、どういう所に住んでいるのかと尋ねたら、やはりふつーのアパートだとの回答。
「え?でも先生の家にはピアノあるのよね?それに先生の息子さんは音大生だったよね?」と更に聞き返したところ、「壁にはカラオケ屋なんかにある防音壁くらいは貼ってあるけどね」との回答。
あーびっくりした。
でも、ちゃんとした防音室ではないのなら、やはり音は隣の家に聴こえているよね。

日本は暮らしにくい…
そして、日中の最大の違いは、中国人は他人のことを気にしないという、ずぶとい神経をお持ちだということでしょう。
日本なんて夜中に洗濯機回すだけで文句を言われそうで気をつかわなけばならない環境だと言ったら、笛子の雪先生は「日本の家屋は相当壁が悪いのね」とおっしゃる。

いや、そういうんじゃなくて…(^^;

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