Category: 柳琴

愚鈍と不器用の二重苦

柳琴レッスン8回目であります。

今日は小学生のお嬢ちゃんのお琴のレッスンとぶつかってしまい、更に店の外では店主のご友人(?)が自分の笛子のレッスンを初めて、加えて店主が打楽器野練習始めちゃったんで、店内にはいろんな音が混ざって聴こえてきて、自分のメロディーを維持するのが大変でした。
もっとも、わたくしは集中力はあるほうなのですが、右耳で別の楽曲の琴の音を聞きながら、左耳で龍海先生の二胡の主旋律を聴くって言う、聖徳太子よりはマシですが、かなり過酷な状況でレッスンしました。

龍海先生が、「換把」つまりポジション移動を教えてくださいました。
要するに、今までは弦を跨いで(過線)隣の線に移って高い音を出していたのに、今度は弦をかえずに手を下へ移動して高音を出す技であります。
難しい…つーか、わたくしはもともと、新しいことを飲み込むのがとても遅い人間なのです。
一歩一歩考えないと、分かんないんです。
自分で言うのも悲しいですが、愚鈍なんですよ。

前述の通り、本日は人がいっぱいで、加えてお琴の先生の彼氏が先生を迎えに来て待っている間、わたくしのレッスンを傍で見ているので、余計に緊張…
最後は、指と頭がこんがらがっているわたくしに、龍海先生がまるで3歳児を相手にするかのように説明して、最後は口で言っても分かんないわたくしの指を「この指がここまで下がるの!」って言って軽く指に触れて教えてくれている傍から(いや、別に先生のセクハラじゃないよ、こうまでしないと本当に分からなくなってしまったんですよ)、お琴の先生の彼氏も、「いや、そうじゃねぇ」って横で声援(?)してくれるので、恥ずかしいったらありゃしないよう(^^;
きっとお琴の生徒のお嬢ちゃんも、「おばちゃん、すごい頭悪い…不器用すぎ」って思ったかも。

で、味気ない技巧練習はやめて、適当な曲を弾こうってことになってやったのが「一分銭」
前回言ったとおり、これは中国人なら、年配の人から若い子まで誰でも知っている童謡らしいのです。
二胡と柳琴で奏でる「一分銭」
ついでに店主が歌いながら前を横切って行きました(^^;

現在、わたくしのレパートリーは、
「きらきら星」
「さくらさくら」
「一分銭」
以上。
いつになったら古典が弾けるようになるんでしょうね。

酔う

何もお酒だけが人を酔わせるわけではありません…
わたくしはお酒は飲めませんが、よく酔っぱらいます。

昨晩は「音」に酔ってしまいました。
単調な技巧練習に飽きてしまわないように、龍海先生はよく童謡で遊んでくれます(童謡好きだって言った覚えはないのに、見抜かれている?)。
昨夜は「きらきら星」の変奏曲を何十回も繰り返しましたが、繰り返すたびに、先生は適当に主旋律をアレンジするので、聴いていて飽きません。
いぢわるにも、先生はわざと途中でテンポを変えて、こっちに早弾きさせたりするのですが、合わせるのが面白い。
で、だんだん音に酔っぱらってきて(こんなに気持ち良くなったのはひさしぶり)最後は伴奏しながら眠ってしまいそうになりました(おい)。

来週は技巧練習に疲れたら、「一分銭」を弾いて遊んでいいよとのこと。
これは、聞くところによると中国の童謡で、道で小銭(1分)を拾った子どもが警察官に届け出て、いい子だねぇ、っていう道徳教育が盛り込まれた童謡らしいのです。
で、今朝、同僚に聞いてみると、誰でも知っている歌らしく(しかもお遊戯まであったようだ)、弁護士秘書Wさんに大うけ。
そっかぁ、そんなに楽しい曲なら…ぜひ、マスターせねば(しかし、大人のお稽古は普通、こんなことしないよなぁ)

他にも酔っぱらうといえば、論文を書いていたり、翻訳をしていて酔ったことはありましたね。
いわゆるハイになるっていう状態ですよ。

前にも書いたかもしれませんが、わたくしは困ったことに好きなことに関しては「集中力」がめちゃくちゃあるのです。
ですから、眠ってしまって駅を乗り過ごしたことはありませんが、本を読んでいて乗り過ごしたとか、考え事をしていて降りる駅を間違えたとかはよくあります。
朝、本を読んでいたり、楽器を弾いていて出勤時間を忘れていたとかも…

朝、起きるのに実は目覚ましは要りませんが(自然に目が覚めます)、何かを始める前は、携帯アラームでも鳴るようにしておかないとお酒を飲まないのに昼間から酔っぱらい時間を忘れるので、とっても危ないのです(爆)。

「小星星」は名曲だ

「わたくし、他人と合奏したくて楽器習い始めたんですよね。笛だと遊びでなら吹けますが、上手くなる見込みがあるとは思えなくなったので、他の楽器に浮気したんです。一生懸命、真面目に数年練習したら、他人と合奏できますか?柳琴だと難しい?中阮とかに持ち替えた方が他人の伴奏に向いているのでしょうか?」

先週、わたくしが龍海先生に送ったショートメッセージの概要です。
龍海先生の回答は、
「柳琴が中級レベルくらいになったら中阮に持ち替えてみてもいけるんじゃない?いずれにしても練習するしかないんだよね」

自分で言うのも悲しいですが、わたくしはかつてピアノをやったことがあるとは誰も想像できないほど不器用で(今、全く弾けないし)、音感もないし、本当に「やる気」しかないんですよ。

ところで、表題の「小星星」というのは、誰でも知っているあの曲「きらきら星」の中国語版。
とりあえず、これしか柳琴で弾けないわたくし。
単に音が鳴らせるというだけで、演奏には程遠いのですが、わたくしが柳琴で「きらきら星」を練習している横で龍海先生、店内の二胡を持ってきて、二胡で主旋律を弾きながら合奏してくださいました。

音源、録音していないのでお聞かせできないのが残念ですが、あの「きらきら星」がなんかすごいチャイニーズフォークミュージックに化けました。
上手い人に合わせてもらうと、くだらない音でも化粧されるものなんだと思いました。

「そもそも笛やってたのに、何でつづける気力がないの?」と龍海先生、今度は店内の笛子を持ってきてピーひゃら鳴らしてみて、「呼吸うまくできないって言うけど、長いこと訓練すればだんだん横隔膜がきちんと動くようになるものだと思うけどねぇ」とおっしゃる。

…言い訳がましいようですが、練習する時間がないのですよ。
子どもの頃は気管支炎をしょっちゅう患っているような虚弱人間でして、朝起きたばかりは体調がすぐれず、無理な呼吸をすれば目が回る。
そして、夜は定時に退勤できなければ、夜中に笛は鳴らせないでしょう。
その点、弦は多少の消音が可能です。

ところで、龍海先生は店内の楽器はすべて初級程度ならなんでも鳴らせるのでしょうか・・・・いいなぁ。

次回は「さくら さくら」をやろうと龍海先生がおっしゃるので、とても楽しみです。
中国語でも「桜花」とのタイトルで、琵琶や琴の子ども用楽譜にはよく日本の古典として楽譜が載っています。
もちろんわたくしが柳琴、先生が二胡。
「先生、わたくしに1度だけ、主旋律を笛で吹かせてください。先生、どの楽器でもいいから伴奏してくださいませんか」と言ったら、「いいよ」とのこと。

龍海先生やさしい~~~(;_;)うるうる

もちろん、基礎練習はちゃんとしますよ…
でも、練習、きちんとしたら、こういうオマケが付いてくるというのは、すごく嬉しい。
先生も仕事とはいえ、わたくしのような不器用で精神的にもろい学生をもつことは大変だと思います。
「どうしてこんなバカな学生、拾ってしまったんだろ」と後悔してないかな…
でも、柳琴はこれ以上価格をまけられないけど、代わりといっちゃなんだが、教えてあげるといったのは、先生、あなたの店の人だよ…(^^;

柳琴で遊ぼう

わたくしの柳琴

わたくしの柳琴

「柳琴」は蘇北、魯南、安徽地方の民族楽器で歴史は浅く、せいぜい200年くらいしかありません。泗(し)州劇(泗州、現在の安徽省泗県に始まり、淮河両岸で行われる安徽省の地方劇の一つ)の主要伴奏楽器だったそうです。例えるなら京劇で京胡が果たす役割みたいなものを担っておりました。
近年、大規模な改良を経て現在は4本の金属製の弦になり音域が広がって(G~G4)、音量も大きくなったのだそうです。
半音ずつに区分された24のフレットがついておりますので(昔は7つのフレットしかなかったそうです)、12平均律の現代音楽を弾くのに問題はありません。
民族楽器のオーケストラでは高音を担当する楽器です。
よくマンドリンに似た音がすると紹介されているので、多分そうなのでしょう(わたくしはマンドリンの音を知らないのでコメントできない)

大きさは、琵琶の三分の二くらい。
だから琵琶のように琴頭が自分の頭を越えることはありえません。

見た目はこのように琵琶によく似ていますが、構造的には全く異なり、柳琴には両脇に2つの音孔がありますが、琵琶にはありません。

奏法的に比べると柳琴はギターのピックを使って弾きますが、中国琵琶は5本の指につけ爪をして弾きます。柳琴の調弦はGDGD、そのまま読めば「ソレソレ」ってなんだか、変な踊りの掛け声みたいで覚えやすいですね。琵琶の調弦はADEA。
誰が最初に製作した楽器なのかは諸説あるようですが、琵琶を参考にしたと言われているものの、各種特徴から見れば、琵琶より阮(げん)に近いのではないかと思います(阮の歴史は長い)。

ギターが弾ける方は、あっという間に弾けるようになるんだろうなぁ(羨ましい)

こんな感じ

こんな感じ

琵琶は重くて大きいので小さな子どもには無理がありますが、これは問題ないでしょう。(それでもよい楽器だとよい木を使っているので、ちょっぴり重め、柳琴でも初心者は重いと感じるようです)
しかし、ワタクシの手はやはり大きくて骨っぽいね…(汗)
顔を見せなかったら、完全に男性だと思うよね。

9月30日、事務所はすでに国慶節休暇に入ったので、楽器屋に出かけて龍海先生のレッスンを受けてきました。
楽器屋の片隅で教えてもらっているだけですから、当然、お客さんが入って来るのですよ。
龍海先生はわたくしに教えながら店番もしているのです。

「きらきら星」変奏曲を一生懸命弾いている傍で西洋人のお兄さんに見つめられてドキドキ。
もちろん、お兄さんはわたくしを見ているのではなく、この楽器は何だろうという好奇心で眺めているのだけど、下手な自分が悲しい…
でも、お兄さん、柳琴をお土産に買って帰ったようなので、(営業妨害にならなくて)よかった~

龍海先生と一緒にきらきら星を歌いました(^^;
(日本の伝統楽器の練習とかでもそうらしいですが、楽器を実際に吹いたり弾く前に、歌ってみることは、準備体操として有効な方法なのです)
「弾くとリズム狂うけど、歌はうまいじゃん」と言われました…
龍海先生は保父さんに向いているかも…

龍海先生曰く「もっと楽しそうに弾きなさい、童謡なのだから…」
しかしですね、先生、わたくしは楽譜を目で追いかけて、指を動かすのが精いっぱいで自分がどんな顔して弾いているのかまで気が回らないのですよ。

そういえば、笛子の松先生や雪先生にも同じこと言われたよなぁ。
要は「淡々と音符をひかずに、曲を奏でなさい」「音楽は人に見せるもの、楽しませてなんぼでしょう、もっと演じなさい」ということ。

そういえば、先生はおっしゃらなかったけど、「音楽」とは「音」を「楽」しむと書くし、「演奏」とは「演」じて「奏」でると書くのよね。
いつか音楽を演奏してみたいです(;_;)

皆さんもどうですか、柳琴~
次は中阮を弾いてみたい…

柳琴に浮気?

吹奏楽器の才能ないかもと真剣に悩んだ末、ちょっと浮気をしてみようと思います。
所詮、趣味なんだから、楽しくできそうなことに浮気をしてみようと。

本当は琵琶を弾いてみたかったけど、一応、入門DVDを全部見てみたら、あれは本当に難しいと実感。
誰に聴いても難しいというしね。
経験を考慮すれば、擦弦楽器を選ぶべきなんだろうけど、二胡はどうしてもニシキヘビがキモいので、やっぱだめ。

で、またもやフラフラと弦楽器屋さんに入って行ったら、わたくしの容姿を見た楽器屋のおじさんは、「君さぁ、身体大きいから「古箏」とか「中阮」がいいんじゃない?」とおっしゃる。
くすん、何だ、いつもいろんな人に古箏や中阮のような大きい楽器をすすめられるのは、単に身体がでかいからなのか…
なんだかんだと「柳琴」に魅かれて、あれこれ話しこみ…
おじさん二人があまりにもわたくしに親切だったので、結局、買ってしまいましたよ(^^;
小さな琵琶みたいな楽器ですが、琵琶は指全部使って弾きますが、これはピックで弾きます。

まけてといっても、80元しかまけてくれないおじさんたち。
おじさんの提案は「ソフトケース、替えの弦、ピック全部つけてあげて、日曜の夕方に店に来れば、先生の基礎講座6回を無償で受講、これでどうだ~」だということで、じゃ、教えてくれるならそれはそれで、ありがたいやってんで、契約成立でありました。

しかし、おじさんの演奏はよく分からなかった…
恥ずかしがるおじさんに無理やり弾かせてわるかったなぁ。
最初はわたくしの知らない中国の古曲を弾いてくださったのですが、そのうち、定番の「さくら さくら」を琵琶風に演奏。
しかし、楽譜もなく暗譜していないらしく途中から作曲しているおじさん…
もう一人のおじさんが、「お前、違ってるじゃん」とまるで漫才のように突っ込む。
仕方がないのでメロディを歌って差し上げました(歌ってあげれば、音を耳で拾えるでしょう?)
そして、お遊びで「北国の春」も弾いてくださいました。

あ、でも、これはこれで、パーフェクトでなくても気にするな~っていうメッセージがあって勇気出るかも。
「音楽を奏でてください」と本日のレッスンで先生に言われたセリフがふと頭をよぎるのでありました。

いいじゃん、どうせ趣味なんだから、楽しくやるよ。
笛子の雪ちゃん先生には内緒なのだ。

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