柳琴で遊ぼう
「柳琴」は蘇北、魯南、安徽地方の民族楽器で歴史は浅く、せいぜい200年くらいしかありません。泗(し)州劇(泗州、現在の安徽省泗県に始まり、淮河両岸で行われる安徽省の地方劇の一つ)の主要伴奏楽器だったそうです。例えるなら京劇で京胡が果たす役割みたいなものを担っておりました。
近年、大規模な改良を経て現在は4本の金属製の弦になり音域が広がって(G~G4)、音量も大きくなったのだそうです。
半音ずつに区分された24のフレットがついておりますので(昔は7つのフレットしかなかったそうです)、12平均律の現代音楽を弾くのに問題はありません。
民族楽器のオーケストラでは高音を担当する楽器です。
よくマンドリンに似た音がすると紹介されているので、多分そうなのでしょう(わたくしはマンドリンの音を知らないのでコメントできない)
大きさは、琵琶の三分の二くらい。
だから琵琶のように琴頭が自分の頭を越えることはありえません。
見た目はこのように琵琶によく似ていますが、構造的には全く異なり、柳琴には両脇に2つの音孔がありますが、琵琶にはありません。
奏法的に比べると柳琴はギターのピックを使って弾きますが、中国琵琶は5本の指につけ爪をして弾きます。柳琴の調弦はGDGD、そのまま読めば「ソレソレ」ってなんだか、変な踊りの掛け声みたいで覚えやすいですね。琵琶の調弦はADEA。
誰が最初に製作した楽器なのかは諸説あるようですが、琵琶を参考にしたと言われているものの、各種特徴から見れば、琵琶より阮(げん)に近いのではないかと思います(阮の歴史は長い)。
ギターが弾ける方は、あっという間に弾けるようになるんだろうなぁ(羨ましい)
琵琶は重くて大きいので小さな子どもには無理がありますが、これは問題ないでしょう。(それでもよい楽器だとよい木を使っているので、ちょっぴり重め、柳琴でも初心者は重いと感じるようです)
しかし、ワタクシの手はやはり大きくて骨っぽいね…(汗)
顔を見せなかったら、完全に男性だと思うよね。
9月30日、事務所はすでに国慶節休暇に入ったので、楽器屋に出かけて龍海先生のレッスンを受けてきました。
楽器屋の片隅で教えてもらっているだけですから、当然、お客さんが入って来るのですよ。
龍海先生はわたくしに教えながら店番もしているのです。
「きらきら星」変奏曲を一生懸命弾いている傍で西洋人のお兄さんに見つめられてドキドキ。
もちろん、お兄さんはわたくしを見ているのではなく、この楽器は何だろうという好奇心で眺めているのだけど、下手な自分が悲しい…
でも、お兄さん、柳琴をお土産に買って帰ったようなので、(営業妨害にならなくて)よかった~
龍海先生と一緒にきらきら星を歌いました(^^;
(日本の伝統楽器の練習とかでもそうらしいですが、楽器を実際に吹いたり弾く前に、歌ってみることは、準備体操として有効な方法なのです)
「弾くとリズム狂うけど、歌はうまいじゃん」と言われました…
龍海先生は保父さんに向いているかも…
龍海先生曰く「もっと楽しそうに弾きなさい、童謡なのだから…」
しかしですね、先生、わたくしは楽譜を目で追いかけて、指を動かすのが精いっぱいで自分がどんな顔して弾いているのかまで気が回らないのですよ。
そういえば、笛子の松先生や雪先生にも同じこと言われたよなぁ。
要は「淡々と音符をひかずに、曲を奏でなさい」「音楽は人に見せるもの、楽しませてなんぼでしょう、もっと演じなさい」ということ。
そういえば、先生はおっしゃらなかったけど、「音楽」とは「音」を「楽」しむと書くし、「演奏」とは「演」じて「奏」でると書くのよね。
いつか音楽を演奏してみたいです(;_;)
皆さんもどうですか、柳琴~
次は中阮を弾いてみたい…