柳琴LESSON39~孟醒老師編

3、「均一」とは、アップ、ダウン時の力が均一化されていることをいい、弾撥楽器の大部分がこの問題を抱えています。つまり、ダウンの時の音の強度がアップの時のそれを超えます。なぜなら、大多数の楽器のダウンは表板にそって、下へ向かいますから、腕が下へ向かう力以外に、さらに地球の引力が加わるからです。よって、調整しなければ、アップとダウンでは、強弱がつくこととなり、これは重要なポイントです。また、弾撥楽器のアップとダウン時、ピック又は付爪と弦との接触する部分に最終的に誤差が生じ、全く同じにはいきません。ですから、強弱の不均一はさらに深刻になり、これを俗に「陽明音」と呼んでいます。このような陽明音を是正するには、ピックと表板の3つの角度に注意しなければなりません。一つは、ピックと弦の角度です。角度が広ければ広いほど、音は鈍くなります。角度が狭くなれば狭くなるほど、音は鋭くなります。この角度は、広過ぎても狭すぎてもよくありません。30度ぐらいがいいでしょう。(個々の状況が異なるため、具体的には、自分でいろいろ試してみてください)。二つ目は、ピックと琴の表板の角度です。この角度も広過ぎはよくありません。垂直より少し斜めになるぐらいがよいでしょう。この角度も30度くらいがよいと思います。斜め過ぎれば、陽明音が出やすくなりますし、ピックの角度が弦と琴の表板の垂直振動を引き起こし、音楽の音色に大きな影響を及ぼします。ですから、この角度も初級者は注意しなければなりません。3つ目は、ピックの動作の軌跡と琴の表板の角度です。この角度も音の均一に影響を及ぼす主要なポイントです。この角度も30度で平行に近い方がよいと思います。このようにすることで、弦と表板が平行振動に近づき、効果的に陽明音の発生を防止し、音を均一に調整します。そのほか、このような状況を改善したければ、耳を澄まして、自己の状況に基づいて調整してください。
(例えば、“アップ”のとき人為的に力を加えて、できるだけ、“ダウン”と“アップ”時の弦との接触点をより近付けてみてください。)

また、例えば、二拍子だと強拍と弱拍の繰り返しが強弱強弱なわけですが、この特徴を利用して、音楽の強弱に合わせて、ダウン時に弱拍がくるように合わせて弾いてみると、心理的につかみやすいそうです。

孟醒:徐州師範大学音楽学院教師、中国民族管弦楽協会柳琴、阮専業委員会理事、徐州音楽家協会副主席。1978年出生。3歳から父孟憲洪に柳琴を習い、6歳から著名な音楽家王恵然に柳琴を師事。1996年中国音楽学院器楽系入学。2000年卒業後、徐州師範大学音楽学院の教職に就き、2001年 徐州師範大学音楽系民族楽器オーケストラを設立、指揮を担当。

2 Responses to “柳琴LESSON39~孟醒老師編”

  1. きゅう より:

    こんにちわ。この間 二胡の発表会を見に行き、はじめて柳琴の生音を聞きました。音を奏でるということには、楽器が違ってもいろいろと共通点がありますよね。楽器を始めるには身近にあるってことが、第一ですよね。私の子供のころはピアノぐらいしか教室はなかったですし(田舎だったこともあり、、)。もう少し選択肢があったらよかったのにと思ってしまいます。今は日本にいるんですか?光舜堂さんの日本橋三越展示会が20日(水)~26日(火)まであるみたいなので、ちょこっと行ってみようかと思っています。

  2. 游鯉 より:

    きゅうさん

    こんにちは~
    今、北京に戻ってきました。

    >>楽器を始めるには身近にあるってことが、第一ですよね
    ですよね。音楽一家に生まれ育ったって人、羨ましいです。
    わたくしにとって最初の楽器はピアノなのですが、どうして自分からやりたいといったのかそのキッカケは覚えていません。
    親は全然熱心ではなかったので、とにかく自分でやりたいやりたいと主張したことは覚えていますが…
    多分、身近に友人が弾いていたからだと思います。
    そういう意味では、お琴を弾いていた友人も周りにいたことはいたのですが、やっぱり楽器や発表会の衣装が高いっていうのがネックだったのかなぁ。
    ピアノは先生のところで弾く以外は弾けず、自分の家では電子オルガンで練習していました。

    プロの演奏家になるのでなければ、どんな楽器でもいつ始めたっていいわけなので、残りの人生、いろいろ弾いて見たいと思っています。

Ringbinder theme by Themocracy