柳琴LESSON36~孟醒老師編

二日目午後は孟醒先生がいろいろ問題点を指摘してくださいました。

二胡と柳琴の手型は異なるので、二胡をやったことのある人の中には、うまく柳琴を抱えられない人もいるようです。
理由は、左手手首と親指の習慣にあります。
二胡の手型ですと、左手手首はやや曲がっていると思いますが、柳琴の手型はそうではなくて、左手手首はまっすぐです。
二胡の琴杆は虎口の中に完全に入ってしまうので、親指は脱力してさえいればいいわけですが、柳琴を弾く場合は、親指の腹の部分の最大面積を利用して琴を支える必要があります。
わたくしは、親指の指先で軽く琴を持とうとしていたため、親指がよく滑り落ちていきました。
この問題はもしかすると、ニ胡をやったことのある人が陥りやすいパターンかもしれません。

柳琴の傾斜ですが、琵琶と異なり、脚の上に垂直的に持つと音色が悪くなります。
琴の上に貼ってある白いテープは、好い音の出る軌跡を示していますが、ピックがこの上を通るように左手首を動かそうと思えば、やはり琴は斜めに持たなくてはなりません。孟醒先生ご自身はかなり斜めに構えますが、初級者にとっては、傾斜がきついと親指に負担がかかり過ぎるので、そこは自分の能力と相談する必要があるみたいです。
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それから、わたくしには本当によくない癖がありまして、左手のMP関節が反対に折れてしまうのです。左手MP間接は山のように外側へ出ているべきところ、谷間のように反対側にくぼんでしまうのです。
孟醒先生がいうには、初級者にありがちな問題なのだけど、二種類の人はこれを正すのが困難だそうです。一つは、8歳以下の子ども。子どもの手は軟らかいですからね。もう一つは、手が大きすぎる人(わたくしですね)。琴は小さいけど手は大きいとなると、このように無理をしないと力を入れて弦を押さえられないから、これ、もう仕方がないみたいです。
孟醒先生は、基本的な手型と姿勢というものはあるけど、個人の身体条件は異なるので、全く同じにはなるはずもなく、基本の姿勢を自覚さえしていれば、何が何でも変える必要はないとおっしゃいました。
わたくしの手はおそらく柳琴を弾くのには向いていませんが、出来る限りで理想を追究してみればいいかなと。
孟醒先生は、林吉良先生(阮の演奏者)の次の言葉を引用しました。

「演奏時には決まった姿勢、コツというものはありません。なぜなら音楽は心で聴くものです。あなたの音楽を聴いたときに、とても素晴らしく、また非の打ちどころがなく、聴衆を共鳴させることができたのであれば、あなたの姿勢は間違っていません。つまるところ、姿勢・方法は、素晴らしい音楽のために準備するものなのですから。」

以上の問題点のほか、孟醒先生は右手技術のコツについても話してくださいました。この話は基本的に彼が以前に書いた文章と一致するので、そのまま引用させていただこうと思います。(以下、続く)

孟醒:徐州師範大学音楽学院教師、中国民族管弦楽協会柳琴、阮専業委員会理事、徐州音楽家協会副主席。1978年出生。3歳から父孟憲洪に柳琴を習い、6歳から著名な音楽家王恵然に柳琴を師事。1996年中国音楽学院器楽系入学。2000年卒業後、徐州師範大学音楽学院の教職に就き、2001年 徐州師範大学音楽系民族楽器オーケストラを設立、指揮を担当。

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