柳琴LESSON17
お恥ずかしい話ですが、わたくしは未だにきちんと琴を抱えることができません。
そのせいで、ポジションをスムーズに移動できません。
ゆっくり弾いているときはまだいいのですが、速く動かそうと思うともう、琴がぐらぐら。
すべて、左の親指に頼って琴を支えているのですね。
先生も、そのうちよくなるだろうと思っていたのか、これまで厳格に注意されませんでしたが、ここにきて、「これ以上、直らないようだと、先に行けないから、何としてもいろいろ自分で試してきちんと琴が安定するように構えなさい」とのご命令が下りました。
まぁ、基本中の基本ができてなかったわけですよ。
例えばバイオリンなんて、最初は顎だけでバイオリンを挟んで、左手を離してみろと言われますものね。
実際、それで十分、バイオリンは下に落ちません。手はスライドさせなくてはなりませんから、手にバイオリンの重みがかかるようでは、そもそも持ち方が誤っているというわけなのです。
それと同様、柳琴も先生は両手を離しても、琴は傾いたりしません。
わたくしが手を離すと、あっさり傾いて、膝から落ちそうになります(;_;)
いろいろ試してもなお琴が安定しないわたくしに先生は「もしかして、お前、スカートをはいてるし、膝をぴったりくっけているから、琴が滑るのかな?いや、でも俺だって別にそんなに大股開けて座っていないよなぁ」と悩んでしまいました。
そうなってくると、同性同士ではないので先生もさすがに異性の膝を触るわけにもいかず「お前、家でとにかく両手を離しても琴が動かない方法をさがせ。」と…
それから、わたくしは指が長いので(何か知らないけど親指も長いんだよなぁ)それがかえって邪魔に感じることもあったりするのですが、先生は笑いながら「そもそも手が大きくて指が長いのは有利なんだから気にするな。ピアノやったらよかったのにぁ、一オクターブくらい余裕でとどくんじゃねぇか(笑)」と突っ込まれました。
そういえば子どものころから、何の苦労もなく一オクターブはフツ―にとどいたっけ(笑)
ところで、基本のG調が終わって、C調を覚えたとたんに、二つの調が混乱しています。
お恥ずかしい話なのですが、ミとファ、シとドの間は半音だと頭では分かっているのですが、いざ、弾き始めると、時々、半音ではなく1音上げたり下げたりしてしまうのです。
大バカものですね。
これは笛でも同じことをしてしまいます。
出てきた音が半音ではなく1度違うので、聴いた自分もビックリって感じ。
しかしながら、12平均律だと、どうしてミとファ、シとドの間は半音なんでしょうか?
めんどうくせぇ、ややこしぃ~誰が決めたんだよ!
その点、ピアノは黒鍵と白鍵があるから、分かりやすいよね。
弦楽器は自分で距離を判断するしかない。
帰り道、先生とバス停が同じなので(ただ方向が違う)、そこまで雑談しながら歩いたのですが、先生がふと「日本に帰ったら柳琴の先生できるね」というので「そりゃいくらなんでも無理だよ、音大出ていないし、ドへたくそなのは先生が一番よく知ってるじゃんか」と言いましたら、「これからちゃんと練習すりゃいいんだよ、それに民族楽器なんてやる人間自体少ないんだから、音大なんか出てなくても、初心者になら誰だって教えられるよ、いける、いける!」とおっしゃる。
これは、わたくしをその気にさせて練習させるための先生の手口なのだろうか(^^;
でも面白い発想なので、「がんばる、がんばる~」とついのせられてしまうのでした。
先生はどうも年の功なのか、学生をその気にさせるのが上手いような気がする。
おそるべし。
この人のこういうところを見習って、わたくしも自分の学生(といっても、日本語の家庭教師をしている学生しかいないけど)をその気にさせて、レベルを引き上げてあげないとなぁ。