ニ胡LESSON30

準備体操は長弓に始まり、D調、G調、C調音階を第三ポジションまで繰り返し弾く。
第二ポジションから第三ポジションへ移るときは、第一から第二の時に比べて距離が長いため狂いやすい。
かなりの確率で急所を外して、後で修正することになる…(特に下から上に行くときが苦手)
まぁ、ズレが少なければすぐに直せるのだけど、ズレが大きいとどのくらい直していいのか見当がつかなくなり、開放弦を弾いてみて、自分の中の基準を作った上で探すのだけど、結局、きっちり直せなくて、というか開放弦と自分の音を繰り返し聞き直す回数が多くなればなるほど、逆に自分の中の基準がどんどんおかしくなるみたいな感じになってきて、最終的には我慢できなくなった先生に「高過ぎ!」と位置を教えてもらうことに。
オクターブの関係って素人でも分かりやすいはずなのに、分かんなかった自分が哀しい。
結局のところ、子どもの頃にちょっとピアノ習ったとかいう程度じゃ、音程とか音階概念って「無い」に等しいんだよね…ということに改めて気づかされるのでした。
でも、大人ってプライドだけは高いから「自分はだいたい分かっている」って言いたくなるんだよね。
くすん。
先生のような方とか、すごく上手い人というのは確かに脳内でずっと正しい音階で歌っているのですよね。
先生も時々、わたくしの音程がかなり狂うと基準までにご自身の声で「ら~」と歌ってくださいます(先生はいつも自分の楽器はお持ちになりません)
そういう意味では、自分の音程を出来る限り正確であるとされる音に近付けたいのであれば、やはりソルフェージュはいいお薬になるんじゃないかなと思うのでした。
正確に歌えれば、正確に弾けるはずですものね。
先生も音程を直すのに実際に効果のある練習方法は弾く前に正しく「歌うこと」と言っていました。
でも、わたくしの声の音域は1オクターブ(狭すぎ~)しかないので、ちゃんと歌えないなぁと先生に言ったら、「高音域は当然、1オクターブ下げて歌うのよ」と言われました。あはは、そうですよね、声楽家でもない限り、そんな何オクターブも出せる人なんていませんよね(^^;

三ミリずれただけで音が高いとか低いとかいう世界なのですから、人間、そうそう毎回急所に指が滑り落ちる筈もなく、実際、プロだって毎回全く同じ位置に指が滑るわけではないそうで…(そらそうだ、数十年修行しても1ミリもズレないってあり得ないと思う)。
どんな先生もおっしゃっていることですが、「耳の力と、自分のズレた音を聴いてそれをフィードバックして瞬時に直す能力」が大事なのですが、多くの初心者が耳に自信がなくて、習うこと自体を放棄しちゃうんだろうな。
多くの先生方が言ってますが、弾く前に、すでに目は何小節か先まで読んでいて、脳内では予め先の音が聴こえているわけです。

今回から王国潼先生の基本練習の本はお休みです。
基本的技術を身につけるにはとってもよい本なので、引き続きやる方がよいのでしょうし、本人も実はこういう単純な訓練の方が好きなのですが、先生曰く、「あまりこれをあなたにやらせると、神経質になってかえってマイナスになるかもしれないから…」
現在のメインは考級の本です。

「中央音楽学院海内考級曲目1-6級」
「快弓練習」(二)22頁。
音程の取り方自体は難しくないものの、真中ぐらいで、何回かミス。
「暗譜していないんだったら、少なくとも1小節先を読みなさい。演奏スピードと同じところを読んでいるのでは遅すぎ」と注意されるものの、難しいですよね。せいぜい、2つくらい先の音しか読めず、速度がはやいとそれでは間に合わなくて、ミス。

次は33頁の2級の楽曲「民謡風」
演奏はボロボロ。
以前、「楽曲より練習曲とかの訓練をもっとした方がいいのかなって思う」と以前、ネット越しにナナ先生に言ったんですよね。
「本当に練習曲の方が好きなの?」とたずねるナナ先生に本気で「そうですけど」と答えたら、この反応にかなりビックリして(普通、生徒は楽曲を弾きたがるものですよね)「でも、舞台で練習曲を弾くわけにはいかないでしょう?練習曲は、練習曲でしかないわけだから」と諭されました。
技術のかなりひどい楽曲を聴かされて「こらひでえや」とうんざりするくらいなら、そっけない練習曲「ドミドミ、ソミソミ」を聴いていた方がニ胡の純粋な音がして気持ちいいとうのが本音なのですけど…

ナナ先生「2級の曲難しかった?」
わたくし「はい」
ナナ先生「でも、あなた、1回目はほとんどとぎれとぎれで、ぜんぜん曲らしく弾かなかったけど、2回目はちゃんと通して弾いていたじゃない、個々の音程問題を抜きにすれば、一応、弾けているのよね、何で最初から思いっきり弾かないの?」
わたくし「音のずれにも一応我慢の限界があって…正直かなり美しくないので、そのまま先にいけない感じで…」
ナナ先生「もう、それは学習者にとって仕方ないこと。この段階では、はっきり言うけど、教師並みに美しく弾けることはあり得ないのよね。諦めなさい。そして、この先、どこまで上手くなっても、完璧ってことはあり得ないんだから、とにかく前進しないと」
わたくし「そうですよね…」
ナナ先生「あなたの“できない”とか“難しい”って、実際のところ“できる”んだけど“満足できない”というあなた自身の心の問題よね?」
わたくし「…」
ナナ先生「ここで向上を放棄して立ち止まるわけにもいかないから、先に行きましょうね。王先生の本は、高度な部分や特殊な部分を除いて、だいたいやるべきことはやったから、自分で復習して、問題にぶち当たったら、レッスンで質問しなさい、この先はこの本はしばらくお休み。次は3級の楽曲、やってみようか」
わたくし「はい、心を入れかえて、練習します…」

ここでふと、わたくしは観賞用の耳と自分を鍛えるための耳のダブルスタンダードが出来てないから、苦しいのかなと思いました。
大人の場合、長く生きているので、いい音楽を聴き過ぎていて、ひどい音に慣れていないのですよね。
でも、もし、自分に子どもがいて、同じような演奏したら「すごいね~もうこんなことできるんだ、偉いね~」って褒めてあげるだろうな。

中央音楽院の2級ってよそ試験の3級くらいなんですよね…
正直、キツイ…
そして3級となってくると、いわゆるプロが舞台で弾くこともあるような独奏曲が入ってくるわけで、次の課題は「山村変了様」の第一部分なのでした。装飾音符は出来なかった無視していいとのこと。
でも、これ、見た感じとしては、ポジション移動せず2の指や3の指を伸ばして音と音の間を移動するので(滑音)、超ふにゃふにゃした音で難しいんですけど…(それが、ニ胡っぽくていいのかもしれませんが…鍵盤楽器にはあり得ない音が出て、うまく滑らないと変な音でしかなくて、ちとキモい)

【余談】
「中央音楽学院海内考級曲目、時々譜面と模範演奏が違ってないか?
もっとも、指法やボーイングは、どれが正解とかいうものではないのだけど、不合理に感じるものや、明らかなプリントミスはちょっと困る。
「なんか変な弓使いだなぁ」と思ってDVDで確認してみると、模範演奏では、譜面上、連弓はないけど、ボーイング変えずに一気に弾いていたりする。その逆で連弓じゃないから弓を変えて弾いていると次の小節から何か変な感じがするので、DVDで確認すると、連弓で弾いていたりするのよね。
気づいたところで、1級部分2頁の「D調三、四指音準校正練習」の30小節目とか、33頁の2級楽曲「民謡風」の16小節目とか…。
先生も言っていたけど、この間、小学生の生徒が何か変な演奏するなと思って譜面見たら、譜面の音が一オクターブ違っていたとか…
知らない曲を弾く時は気をつけましょう~(笑)

2 Responses to “ニ胡LESSON30”

  1. くるみ より:

    朱〇耀先生はご自分の曲で「コンサートで弾く度に弓使いが違う」
    と仰ってたそうですよ。
    その時々で最適な弓使いを考えられるでしょうしね。

    ピアノの楽譜でも ほぼ植字間違いが無いのは日本のだけですよ。
    輸入楽譜は気を付けないと色々あります。
    大きなラボを持つドイツの某社のは大丈夫な様ですが。

    なので二胡の楽譜は 装飾音が隣の音についていたり
    指や弓の推し引きが隣の隣についていても
    弾いてる方が気がつかなきゃいけない仕様なんですよ。(笑)
    後は曲を貰った時か1回目のレッスンの時に先生に教えて頂くのが手間が掛らないと思います。

    そして音程は北京系はオクターブ下で 上海系はオクターブ上で弾くって曲もありました。
    なので手本にした動画が どっちになるかで楽譜が合ってるか間違ってるかが決まったり。
    こうなったら習ってる先生だけが頼りですよ~。(^_^;)

  2. 游鯉 より:

    くるみさん、こんにちは~

    >>ピアノの楽譜でも ほぼ植字間違いが無いのは日本のだけですよ。

    ええっ!!そうなんですか…
    日本人はやはり細かいのでしょうか。
    レッスン時間、今は1時間に戻したので、時間がいっぱいいっぱい。
    譜面見てすぐに「どこが分からないか」を把握しないと質問のしようがないので大変です。
    譜面見て、指法、弓法、メロディーを頭の中で再現するって…死ぬほど大変。。。

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