二胡LESSON2
前回(つまり二胡を初めて真剣に弾いてみたとき)より、力が抜けてちゃんとした運弓になったねと一応褒めてもらえました…
しかし、これはわたくしがあまり意気消沈しないために言っているだけなんだろーな。
開放弦だけ(つまりドとソだけ)で、さまざまなリズムの練習曲をたくさん弾きました。
先生曰く「普通は一ヵ月くらい、ただ単に弓を引いたり押したりするだけの練習をするものなのだけど、それじゃあ進歩が遅すぎるので、お前は第一ポジションの音の位置も覚えて、そのついでに弓の引き方押し方も同時進行で練習しなさい」とのこと。
帰り際、「今は基準を甘くして大目に見ているけどそのうち厳しくするからね」と“覚悟しとけ”的な予告を受けました(^^;
要はわたくしの音程が狂っているのですわ…半音も違えばさすがに分かるけど半音の半音の半音くらい低かったり高かったりするのって分かんないよう。絶対音感なんてないし、相対音感もヤバい…
「ちゃんとしたチューナーを持っているのだから、それ見て直せばいいでしょ」と睨まれました。
先生に言わせると、楽器屋の某さん(打楽器がご専門)が弾く二胡も音程が狂いまくっているのだとか。
「気の毒なことに彼は自分が音程外していることに気付いていないんだよね」と言い(先生も結構、本人がいないと残酷なことを言うんだなぁ)「でも、お前は音程が狂うと自分でハッとしているから問題ないよ、一番怖いのは全く自覚のない人」とのこと。
二胡は、とっつきやすくて簡単だけど、上を目指そうと思うと難しい楽器だというのがよく分かりました。
ちょいと教えてもらえば、大抵の人は音が出るし(まぁ、最初はぎぃ~って音が出てしまう人もいるけど)、一オクターブの音階はすぐに弾けるようになるんだよねぇ。楽器自体も軽いし、構えるのに苦労はしない。
加えて、わたくしの場合は人より手が大きいという有利な点があるから、弦を押すのも別に苦じゃないし…
「なぜ、入門者の二胡の演奏が聞きづらいか知っている?」と先生が聞くので首を横に振ったら「要は音程が狂いすぎるから、気持ちよく聴こえないんだよね」とのこと。
確かに、正直に言うと、趣味で二胡を弾く普通のおじさま、おばさまの演奏を聞いていると、何でこんなに音程とリズムが狂うのかとわたくしも思っていたので、わたくしには絶対無理だと思って今まで手を出しませんでした。
「お前はできると俺は信じているから、一生懸命練習しなさい」と言われました。
しかし先生…熱心すぎてちょっとこあいかも…(^^;
本当は1時間のレッスンなんだけど、1時間超過して合計2時間も教えてくれたし。
先生はどうやら、わたくしの真面目なところが好きらしい。
「正直に言うけど、最初は何とも思わなかったんだが、柳琴を教えているうちにお前、真面目に練習するし、理解力もあるし、外国人で、しかも女性なのにこんなに熱心に中国の民族音楽を勉強する奴がいるのかと思ったら、俺は感動した。全力で教えるからついておいで!」と二胡を熱心に教えてくださる理由を打ち明けてくださいました。
ほとんどの日本人女性はみんな真面目に練習していると思うから、わたくしが特別熱心だとは思わないんだけどな。
多分、先生は別に日本語ができるわけではないので、これまで日本人女性に教えた経験が少ないだけなのだと思う。
前に日本人の女の子の学生がいたと言っていたけど、隣の楽器屋に行ってしまったらしい(もしかすると、その子は先生の熱心さが怖かった(あるいはキモかった?)のではなかろうか???と思えなくもない…わたくしも一瞬、先生、わたくしに気があるのか、と思ったもん。)
しかし、夫が法科大学院の教員をしているので、いわゆる「先生の気持ち」というのもよく分かります。
夫も「一緒に勉強していた奴が司法試験に受かればとても嬉しい」と言っていたし、別に勤務時間外だろうが何だろうが、答案の添削をやっているし、結局のところ、熱心に教えを請いに来る学生を放っておけないというのが教師の性と言うやつに違いない。
また、夫は「残念だけど、ちょっと付き合えば、学習姿勢や能力などから、こいつは試験ダメそうとか分かる、もちろん感じても本人には言わないけどね」とも言っていたな。だから夫はわたくしに司法試験は薦めません。忍耐力ないから無理だって(笑)。
たびたび「二胡を弾いたら絶対いいよ、その手」と言っていた龍海先生は、一応、そこそこ期待しているのでしょうか。
確かに先生の中には、手が小さすぎると限界があるからと最初にくぎを刺して他の楽器を薦める人もいるそうですし、そう考えると、何度も二胡の誘惑をかけてきた先生はある程度、勝算があるのかな?
数ヵ月後に先生ががっかりしなければいいんだけど。