二胡LESSON1

諸事情により、笛は長期休暇にして、二胡をかじってみることにしました。
先生は今、柳琴を教えてくれている龍海先生にお願いしました。
彼はもともと、多分、わたくしに二胡を教えてみたかったんだろうな、という気がします。
わたくしが、諸事情により「二胡やってみたい」と言いだしたとき、龍海先生はものすごくうれしそうでした。
「そうか、じゃあ、お前のために二胡を選んでやる」と言って、自分のバイト先の楽器屋では「大したことない楽器(材料がよくても、よい音のしない楽器というものも存在します)なのに高額なんだよな」とぼやいたかと思えば、休日に自分の人脈を頼って、地方の楽器屋まで旅に出てしまいました。
まぁ、彼は彼で、自分の人脈作りにわたくしの楽器購入を利用したのかもしれませんが、わたくしとしては、よいものが適切な値段で手に入れば文句ないので、「ありがとう~」と彼に任せました。
そして、ものすごい過密スケジュールで帰ってきたかと思えば、二胡をすぐにわたくしに届けてくれて、「これ、めっちゃいい音がする!お前、北京で買う値段よりずいぶん安値でこいつをモノにできて、本当にラッキーだ!」といろいろ弾いてくださいました。
先生、自分の楽器じゃないのに、ものすごく嬉しそうなんだよな。
ある意味、音楽や楽器オタクなんだよな…
で、そのまま、第一回レッスンに突入しました…

正直、あまりに熱心なので、この人、もしかして何か下心があるのではなかろうかと少し疑いました(笑)。
で、わたくしの出した結論は、多分、先生はわたくしの「手」に興味があるんじゃないでしょうかね…
「二胡を弾くのに向いてそう…」と何度かおっしゃってたもの。
その他に、教師の性として、「出来すぎた子より、ちょっと問題ある子を育ててみるのが面白そう」というのがあるような気がします。
「半年で、何かしら弾けるようにしてみせるから、とりあえず、おれの言うことよく聞いて、あせらず、一歩一歩ついてこいよ」と先生は張り切っています。
う~ん、嬉しいんだけど、ある意味、こあい…

例えば、先生の息子は教育大の音楽科でピアノがめっちゃ上手で、今、某大学の大学院にいるのだけど、子どもの頃、相当厳しくしたらしいし…(もちろん、先生はわたくしが中年の趣味でやってるってことを理解した上で速成を目指しているのだけど)

ところで、先生が惚れているわたくしの手ですが、本当に大きくて長いということを改めて実感しました。

千斤の位置がこんなに高くできる???

二胡の弦の音階をつくる部分の長さ調整ですが、人の身体的条件に合わせて、千斤という部分で竿と弦を糸で留めて弦の長さを調節します。
自分に合った千斤の位置の決め方というものがあって、左手の肘を二胡の筒の上に置いて、棹に手をあわせて指を真っ直ぐに伸ばしてみて、小指の第二関節くらいの位置に千斤をつけるのがよいらしいです。

ですから、一般論として身体の小さな方は千斤の位置が下にいくので、弦が短くなり、身体の大きい男性等は千斤の位置が上の方へ移動するため、弦が長くなります。

わたくしの二胡の千斤は、先生の腕と手に合わせて調整してきたらしいのですが、先生、わたくしの腕と手を二胡に合わせてみてビックリ。
自分と同じくらいだろうと思ってたんですね。
「千斤の位置をもっと上にすべきだったか…」とつぶやいて、とりあえず、今日はこのままにしとけってことになりました。
千斤を高く設置すると駒と千斤の距離が長くなるので、弦の振動が大きくなってよい音が出るみたいです。
しかし、手の小さい方が、千斤を高くして弦を長めにとると、音程が正しく取れないので、おすすめでないとか。
標準は38センチくらいとどこかで聞いたことがありますが、わたくしの場合、40センチ超えても大丈夫そう…(一応女性なんですが…)

すんませんねぇ。確かに手も大きいけど、指も長くて、腕も長いのよ、わたくし。

「お前、本当に、先天的に楽器弾くための身体的条件に恵まれてるね」と先生に言われました。
「子どものころから腕や脚が長くて、手や足も大きくて本当に嫌だったんだよ」
とむくれたら、
「何言ってやがるンだ、俺なんて指太いし、短いし、指と指の間だってそんなに広がらないし、お前、絶対に音程がとりやすい筈、恵まれすぎ!」
と嫉妬されました。
いや、だって、その他の才能ないから、せっかくいい手をしててもねぇ…

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